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10 2020

#建築学科 #研究 :絵画と日常空間における美の探求 #分野:美術

工学部建築学科 教授 原井 憲二

見ているようで見ていない。知っているようで知らない。 そんな「美」をインスタレーション作品で表現。

|研究|美術の可能性を求めて作品づくり

「金の絨毯-著者たちに捧ぐ-」(2000年・フランス)

日常化することによって見失う美しさが、身の回りにたくさん存在します。また、極めようとするばかりではそんな当たり前な美しさをさらに忘れがちです。見ているようで見ていない、知っているようで知らない、そんな美を絵画的手法で導く。それが、私の研究テーマです。美術(特に絵画)の可能性を求め、新しい美の価値観を導くことを目指しています。技術や理屈だけではない、一般的な価値とは異なった分野の一つとして、建築を学ぶ皆さんには想像を広げて新しいものを見つけたり、発想を転換したりすることにつなげてもらえればとも期待しています。さらに、美術やデザイン分野、芸術関連への発展・促進につながっていくことも意識して、作品づくりに取り組んでいます。

|研究|新たな表現や価値を生み出す喜びは絶大です

作品は、インスタレーションというジャンル。例えば絵画であればそれ自体が作品ですが、それにプラスアルファして周りと関わってくる表現手法です。僕も“もの”を作っているわけですが、その“もの”自体では意味合いがなく、周りと共鳴し、周りと一緒に見てもらうという空間を意識した作品です。最近の展覧会では、黒い紙に開けたたくさんの穴と、作品を展示している壁も使って絵柄を見せました。過去に見たことがない新しい表現(作品)や価値を生み出す喜びは、絶大です。僕にとっての“研究”は、作品として形に残すことですが、作って終わりではなく世に示すことまでを含めたもので、これまでに札幌や東京、フランスなどで展覧会を開催。インスタレーションは展示している空間とともに体感してもらうことが重要なので、また札幌で機会を持ちたいと考えています。

「水玉模様の彫刻」(2014年・フランス)-左、「光の壁-北の肖像-(」2019年・札幌)-右

|教育|手を真っ黒にするほど動かして作品をつくってみよう

造形演習

建築と私をテーマとした立体構成



デッサンやスケッチなどの実技演習を介して創作に必要な基礎技術を学び、独自のアイデアや視点で表現できるようになることを目指します。さまざまなテーマで平
面構成や立体構成などの課題に取り組み、うまい下手だけではないそれぞれが持っている魅力を生かした表現力を身につけていきます。



問題用紙をモチーフとした平面構成

建築とも共通する“ものづくり”に大切な“つくる楽しさ”を実感するとともに、興味やねらいに応じた的確な手法についても習得します。ものづくりにはたくさんの時間と労力を要しますが、時間と労力を注ぐことで渾身の作品を完成させた時の喜びを体験し、理解してほしいと思います。やってみなければ分からな
い想像力や可能性はみんなにあるので、とにかく手を動かして作品づくりに打ち込んでみましょう。


工学部建築学科 教授 原井 憲二
大学にはいろいろな価値観があっていいので、例えば美術分野に寄った興味を持った学生が育っていけば、建築学科の卒業生の幅が広がっていくはず。自分で自分のことを決めつけず、ここで本気になってやってみることで、本来持っている才能や可能性を見いだしてください。

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