03
23 2024

<法学部トピックス> ロースクールへの 進学をサポート

法律を扱う専門職「法曹三者(弁護士・裁判官・検察官)」になるためには、司法試験という難問を突破しなければなりません。そして司法試験を受けるには、予備試験に合格するか、法科大学院(ロースクール)を修了する必要があります。本学法学部は北海道大学法科大学院(以下、北大ロー)と法曹養成連携協定を結び、2020年度に法曹養成プログラムを開設しました。このプログラムでは、一定の要件を満たすと3年間で北海学園大学を早期卒業し、論文試験のない「5年一貫型教育選抜」で北大ローを受験することも可能です。法曹養成プログラムで見事、北大ローへの切符をつかんだ二人にお話を聞きました。

[法曹養成プログラム参加]

法学部1部法律学科4年 鈴木 未奈美(帯広柏葉高校出身)

法学部2部法律学科3年 五十嵐 愛花(池上学院高校出身)

プログラムに背中を押されて見つけた、新しい目標。

——法学部を志望した理由を教えてください。

【鈴木】法律の勉強がしたいと思ったのは小学生の頃です。クラスでトラブルが起きると、たいていお互いに、もしくはどちらかが謝って感情的な解決を図りますよね。だけど大人の社会ではトラブルを解決する手段の一つとして法律があることを知り、法律を扱うプロフェッショナルになりたい、弁護士になりたいと思ったのがきっかけです。

【五十嵐】私も小学生のときです。ミステリードラマが好きで、ドラマに出てくる法律用語に興味を持って法律の仕事って面白そうだなと思いました。北海学園大学法学部2部は小論文で受験できる制度があったので、これだったら挑戦しやすいかなと思って特別選抜(課題小論文)で入学しました。

左から、五十嵐さん、鈴木さん、神元先生

——法曹養成プログラムは意識していましたか?

【五十嵐】入学したときは公務員を目指していました。だからプログラムのことはほとんど意識していなかったんです。でも、2年生の春にその存在を知って、せっかく法学部に入って法律の勉強をしているのだから、より法律の知識を生かせる仕事に就いた方が自分にも自信が持てるんじゃないかって。自分が履修している科目も、自分のGPAとも要件が合っていたので挑戦してみようかなと思いました。

【鈴木】私の場合は、入学した年(2020年)にちょうどこの制度が始まりました。道内唯一の法科大学院に進学できると聞いて、北海道が大好きな私にとって、ずっと北海道で暮らしながら法曹界が目指せるチャンスだと思い、プログラムに登録しました。

——五十嵐さんは法曹養成プログラムに対応した神元先生のゼミを履修したそうですね。

【五十嵐】神元先生のゼミは答案練習に特化したゼミなので、北大ローの入試に向けた練習になると思いました。

【神元】私のゼミでは毎回、ロースクールの入試も見据えた事例問題を宿題として出します。ただ、提出してもいいし、しなくてもいい。もちろん、提出本数が多く点数が高いほど、良い評価となるよう基準を設定しています。五十嵐さんはほぼ毎回提出して90点以上を連発していましたね。

【五十嵐】神元先生は、助詞の使い方一つまで丁寧に添削してくださるので、本当に鍛えられました。毎週のように先生に添削していただける機会があるのはありがたかったです。

【鈴木】私は四ッ谷先生のゼミに所属しました。神元先生の授業は1年生のときに受講したことがあって、レポートの書き方を丁寧にレクチャーしてくださったことを覚えています。あのとき神元先生に教えてもらったレポートの書き方は、間違いなく今の私の基礎になっています。

——鈴木さんは、面接試験のみの「5年一貫型教育選抜」に出願して合格しました。どのような試験対策を行ったのですか?

【鈴木】北大ローに合格された方にTwitterで連絡を取って、「面接ではどんなことを聞かれるのか」教えてもらいました。「志望理由を掘り下げられるよ」「ニュースの話題が出るよ」といったいろいろなアドバイスを受けて、面接のイメージをつかみました。四ッ谷先生や神元先生にも相談に乗っていただき、何度も面接の練習をしていただきました。

——それまで面識のなかった人にTwitterで連絡を取るなんてすごいですね。五十嵐さんは、論文試験の「開放型特別選抜」に挑戦しての合格。2部生では初めての快挙です。

【五十嵐】実は「開放型」の前に「5年一貫型」を受けて、不合格になってしまいました。「開放型」の入試は「5年一貫型」の2カ月後だったんですけど、最初はなかなか切り替えられませんでした。残り1カ月になってから覚悟を決めて毎日図書館に通い、授業で使った教科書をひたすら読み込みました。合格できてホッとしています。

【神元】二人とも本当によく頑張ったと思います。

同じ目標を持つ、仲間と一緒に。

——4月から北大ローでの学びが始まります。どんなことに期待していますか?

【五十嵐】ロースクールに行きたいと思った大きな理由は、一緒に司法試験を目指す同級生がいるからです。安心して勉強できる環境に身を置けるんじゃないかと期待しています。

【鈴木】私も同じです。コロナ禍でオンライン授業を経験して、一人きりで勉強することのツラさを痛感しました。北大ローの先輩や法曹界で活躍されている方からも、「同じ目標を持つ仲間と励まし合ったり、切磋琢磨したりすることが大事」と聞きました。なので、五十嵐さんのように同じ目標を持つ仲間とこれから出会えることが一番の楽しみです。

——高校生の皆さんへ、メッセージをお願いします。

【神元】繰り返しになりますが、法曹養成プログラムは北大ロースクールと連携したプログラムです。北大法学部を受験するとなると共通テストを突破しなければならず、理系科目や英語が苦手な人にはハードルが高いですよね。でも、言ってしまえば司法試験には理系科目も英語も必要ありません。たとえ理系科目を苦手としていても、うちから北大ローを目指す道があります。法曹に興味がある人は、覚えておいて損はない制度だと思います。

【鈴木】法律を学ぶことは、社会を知る一つのきっかけになります。また、法学部の学びを通して論理的な思考やプレゼンテーションのスキルを磨くことができます。たとえ将来、法律に関わる仕事には就かなかったとしても、人を説得したり、調整したりするといった場面で、学んだことが役に立つはずです。もし、どの学部に入ろうか迷っているのなら、法学部に入って間違いはないと思います。

【五十嵐】私は中学校の途中から学校に通えなくなってしまい、高校は通信制に進みました。みんなと同じように毎日学校に通うわけじゃなく、「これからどうなるんだろう?」とすごく不安でした。そうしたときに自分に合った入試スタイルで北海学園大学に入ることができ、法曹養成プログラムに出合いました。高校に進学するときも、大学受験を決めたときも、北大ローを受けたときも、「失敗したらどうしよう」と何度もためらいかけました。だけど、勇気を出して一歩踏み出し、こうして北大ローに合格できたことは、自分にとってすごく大きな自信になりました。北海学園大学には2部があり、いろんな人に門戸が開かれています。勇気を出して一歩踏み出してみたら、いいことも待っているかもしれない。私は、そう思います。

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