数学教員になる 夢に近づくため 仲間と切磋琢磨。
夢は中学校の数学教員。教職課程は1年生からコマ数が多く、「時間のやりくりが大変だった」と振り返ります。教職を受講する同じ学科の仲間と励まし合い、誰一人欠けることなく4年間走り抜けました。卒業研究のテーマには、レアメタルの一つ、ビスマス(Bi)を選んだ平賀さん。ビスマスを溶かして骸晶を作成し、自らの疑問を実験に落とし込んだり、実験器具を自分なりに改良したり、自由度の高さに魅力を感じているそう。
仲間と励まし合い、先生に支えられ。
中学時代の数学の先生に憧れて、教師になりたいと思うようになりました。ただ、周囲からは教職課程はコマ数も多くて大変だという話は聞いていたので、実家から通いやすく、数学の教職課程がある学園大を志望しました。数学の教員免許は社会環境工学科や建築学科でも取れますが、昔からパソコンに興味があり、せっかくならソフト系も学びたいと思って電子情報工学科を受験しました。聞いていた通り、1・2年生は授業が多くて大変でした。遅い日は7限まで授業があり、終わるのは夜9時。コンビニの早朝バイト(6:00〜9:00)もやっていたので、生活のリズムを維持するのは結構ハードでしたね。
工学部は、2年生から山鼻キャンパスに移動します。山鼻で教職課程を受けるのは工学部生だけなので人数もグッと減り、同じ学科では6人だけだったので、すぐに仲良くなりました。それからは授業の取り方を相談したり、勉強を教え合ったり、みんなでがんばろうぜって空気が生まれましたね。先生との距離も近づき、質問をする機会がすごく増えました。先生はどんな些細なことでも相談にのってくださり、的確なアドバイスで安心感を与えてくださいました。
教育実習では中学1年生の授業を受け持ちましたが、最初は「(授業の内容が)ちょっと難しい」と生徒から言われて悔しい思いもしました。ですが、「子どもたちにもっと任せていいんだよ」と、指導をいただいたことをきっかけに、生徒同士で話し合ったり、考える時間をたっぷり取り、生徒の目線を意識した伝え方をするうちに、だんだん打ち解けて、生徒たちの理解も反応も良くなっていきました。
ビスマスの美しさにひかれて。
卒業研究は「電子物性にて使用する金属等に化学的な実験」というテーマにひかれ、菅原滋晴先生の研究室で、ビスマス(Bi)を使った研究に取り組んでいます。ビスマスのインゴット(固体)を420℃で溶かし、液体の酸化膜を取り除いてじっくりと冷やすことで骸晶と呼ばれる結晶が完成します。溶かしたときにできるビスマスのらせん構造が右巻きか左巻きかの比率を調べて、その構造や原理を探るという研究です。実験でできる骸晶の形はさまざまで、絵に描いたような渦巻き状になったり、階段のように縦長に積み上がったり、本当に見飽きることがありません。「ほかにも金属を混ぜたらどうなるのだろう?」「結晶を大きくするにはどうすればいい?」と次から次に試してみたいことが増えていきます。実験器具を自分で改良したり、湧き上がった疑問を実験に落とし込んで自分の手で試せるので、興味が尽きません。
僕自身はもともと数学の教員免許を取るという目的で選んだ電子情報工学科ですが、ソフト系が好きな人もハード系が好きな人にとっても、かなり楽しい学科だと思います。ソフト系であればC言語やJavaを使って自分でプログラムを組むこともできるし、ハード系ならロボットを作る授業もあるし。そういった楽しさももちろんですが、情報を扱う授業が多いので情報リテラシーは間違いなく高まり、情報社会に必要な基礎力が身につくと思います。
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