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08 2025

日本語を通して 広い世界の 人と繋がりたい。

人文学部1部 日本文化学科 伊原 綾花 市立札幌旭丘高校出身

読書が好きで、国語や作文が得意だったことから、日本文化学科に進学した伊原さん。人文学部で交換留学など異文化交流を経験し、英語の習得にも積極的に取り組んでいます。そして見つけた目標は、卒業までに日本語教員試験に合格すること。外国人に日本語を教えることを通して、移民問題の解決策についても思いを巡らせています。

体験を通して、自ら考えられる人に。

人文学部に魅力を感じたのは、書物や歴史、異文化交流などから知見を得て、人間はどう生きるべきか自ら考える力が養える学部だと思ったからです。中でも、日本文化学科を選んだのは、もともと読書が好きで、国語や作文が得意だったのも理由ですが、それだけではありません。

高校時代、受験のために勉強する英語には、正直、少々辟易していました。それでも海外への憧れが強く、本来は英語が好きだったこともあり、英語の科目が充実している北海学園大学の人文学部なら日本文化学科でも、自分のペースで英語が学べると思ったんです。実際に、学部の専門科目で英米文化学科の生徒に混ざってTOEIC対策になる授業を受け、スコアを大幅に上げることができました。

大学で学ぶ英語は、受験勉強と違ってコミュニケーションツールの一つとして「使える英語」。1年次に交換留学でカナダに3週間滞在し、もっと英語を話せるようになりたいというモチベーションも高まりました。

大学での体験は、英語に関することだけではありません。2年次の夏休みには、中川町でのインターンシップに参加。町内でさまざまなアクティビティを体験し、パッケージツアーを作ることに挑戦しました。事前学習で、いろいろ調べてはいたのですが、現地で役場の方からお話を聞き、実際にアクティビティを体験することで中川町の魅力を詰め込んだパッケージツアーを作ることができました。

この経験を通して、インターネットでは分からないことも、現地で地元の人とコミュニケーションを取ることで知れるのだと実感。現場体験の大切さを学びました。そもそも北海学園大学を選んだのは、他人の意見やネットの情報に振り回されることなく、いろいろなことを体験して自分で決断できる人になりたかったから。実体験を積むことで、考える力が身についているような気がします。

日本語教師として、できることがあるはず。

専門科目に関しては、日本語教育学特論や丸島歩先生のゼミで、日本語を母語としない人たちへの日本語教育について学んでいます。特に、ゼミでは日本語の発音を音声記号で表して、自分の主観ではなく客観的に教える方法も勉強しています。日本語を母語としない人が話す音声を聞き、音声学的に発音のクセを分析したり、イントネーションなどの要素が与える印象の違いをみんなで話し合ったりもしました。このゼミがきっかけで、使う言葉や音声的な話し方によって、人に与える印象が変わることを学び、無意識のうちに話し方でその人の性格まで判断してしまうのは危険だということに気づきました。また、母語の異なる人たちとのコミュニケーションの中で、やさしい日本語を使う意識が持てたのは成長かなと思います。

最近では仲間と一緒に、外国人労働者が求めている情報を視覚的にわかりやすくまとめたホームページを作成しており、日本人として当たり前の日本語を分かりやすく変換することの難しさにも気がつくことができました。今後は言葉だけでなく、文化的バックグラウンドも意識しながら、さまざまな国籍の人とコミュニケーションを図れる場所づくりができたらと思っています。

また、教え方によって日本語の学びが楽しくなったり、逆に不安を感じてしまったりという心理的な影響があることもわかり、日本語の教育法についてもさらに研究を深めたいなと。将来の道はまだ定まっていませんが、卒業までに日本語教師の資格を取り、これから日本にも増えることが予想される移民の人たちの役に立ちたい、というのが考えていることの一つ。今、ヨーロッパで起きている移民問題は、今後、日本でも他人事ではなくなります。こうした問題の解決は、何も国際機関や政府関係機関で働いている人だけでなく、1人の日本語教師としてもできることがあるはず。そのためにも、学内外で多くのことを経験し、見聞を広げたいと思います。

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