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07 2025

【経営学部トピックス:ビジネス実践力講座】 企業の強みを生かした 新規事業を提案!

北海学園経営学部は、実践的な学びを通じてキャリアデザインをサポートする「北海経営CDP(キャリアデザインプログラム)」を設置しています。2024年の2年次1学期に開講された「ビジネス実践力講座」では、生活共同組合コープさっぽろの協力のもと、職員の方々から事業内容や課題解決のプロセスなどについてレクチャーを受けました。15回目の講座最終日には、学生たちが新規事業を提案。最優秀賞に選ばれたグループの4名が、講座をふり返りました。

[ビジネス実践力講座参加](写真左から)

経営学部1部 経営学科2年 小寺 泰生 (北海道札幌手稲高校出身)

経営学部1部 経営学科2年 伊藤 巧真 (市立札幌藻岩高校出身)

経営学部1部 経営学科2年 佐藤 希美 (市立札幌平岸高校出身)

経営学部1部 経営情報学科2年 髙田 幸誠 (第一学院高校出身)

最終日には、学生自ら新規事業を提案。

——ビジネス実践力講座に参加した感想を教えてください。

【小寺】コープさっぽろは、北海道でとても知名度があります。これまで成功した話ばかりなのかなと思っていましたが、意外なことに失敗した事業もあったそうで、その繰り返しの結果、今があると知りました。たとえ失敗したとしてもチャレンジする、その繰り返しの中で成長していく大切さを知りました。

【髙田】小さい頃に母とコープさっぽろへ買い物に行った思い出があります。でも、服の回収を含め、子育てや環境・福祉などの分野で多角的な事業展開をしているとは知りませんでした。成功した事業や商品展開だけで満足せず、世の中の課題に目を向けて新しい事業にも挑戦し続けている点がすごいと思います。

【佐藤】利用者となる組合員さんファーストの考え方が印象に残りました。今までやってきた事業も、組合員さんに対してどんなことができるかを重視して、さまざまな角度からアプローチしていると感じました。

【伊藤】最初は、スーパーのように食品を売っている事業だけだと思っていたのですが、まったく違いました。さらに北海道外のコープとも違う事業を展開し、北海道ならではの課題にも目を向けていて、しっかり成功している柔軟な生活協同組合だと思います。

——最終回に新しい事業の提案をして、最優秀賞を受賞なさったそうですね。

【佐藤】講座は、事前授業と職員の方が講義してくださる回を交互に行いながら進みました。事前授業のおかげで、お話ししていただく内容が頭に入りやすかったです。15回目の授業では、コープさっぽろの強みを生かした新事業を提案する場がありました。

【小寺】自分たちのグループは、例えば宅配事業のトラックを利用したり、物流センターを生かしたり、地域密着という観点から新規事業の道筋を考えました。提案したのは、宅配事業で使っているトラックを改造し移動型の診療所にして、医療が行き届いていない地域の高齢者のもとへ出向く移動診療です。

【佐藤】移動診療の案以外にも、いろいろな案が出ました。例えばコロナ禍の影響などで余ってしまった店頭の花を、コープさっぽろが展開している家族葬の場で活用するアイデアです。

【髙田】ひとり暮らしで食料確保が難しい大学生に向けて、食材を安価で配達する案もありました。栄養バランスを考えて、定期的に配達してリピートしてもらえるようにする仕組みです。

【伊藤】大学生が使い終えた教科書を、宅配サービスのトラックで回収し、組合員の学生に回すリサイクル事業の案もありました。教科書って、半年から一年で使わなくなってしまうので。

——出し合った案から最終案を決め、コープさっぽろの方にプレゼンしたのですね。

【伊藤】事業の先が想像しやすく、誰のための事業かわかりやすいので、みんなで相談した結果、小寺さんの移動診療案に決めました。思いつきの案ではなく、しっかり根拠を提示して、順序だてながらプレゼンテーションするように気を配りました。

【小寺】事前に、先生の前でリハーサルを行ったんです。ほかのグループの発表を見ながら、資料やデータを使って説明すると説得力があると気づき、私たちのグループでも取り入れました。

【髙田】本番は緊張しっぱなしでしたが、自分たちの思いは伝えられたと思います。実は発表の前に、提案した移動診療が、今後の事業として実際に展開されると聞きました。ですから自分たちの考え方が間違いじゃない、本筋からぶれていなかったと実感できて自信が持てましたね。

【佐藤】私は半径○キロ圏内に総合病院がない、交通機関が少ない状況など、北海道の地方に住む高齢者の方が抱えている課題を発表する役割でした。コープの方や学生のみなさんに何を伝えたいか考えながら発表するように心がけました。

【小寺】コープさっぽろの方たちが始めようと考えていた事業を、大学生が考えるのはすごいことだと言っていただきました。しっかりと詳しいデータも書かれていて、説得力があってよかったと褒めていただき、とてもうれしかったです。

【髙田】自分たちの意見を、きちんと受け止めてくださった印象があります。十分に成功されている組織の方たちなのに、新たなアイデアや視点を得ようとされている姿勢がすごいなって。

【佐藤】そうなんです。私も、学生たちの意見を無下にせず、何かを得ようとしていらっしゃる姿を見て、その柔軟な姿勢に感激しました。

事業の裏側を知れば、もっと魅力が見えてくる。

——講座を通して、コープさっぽろの見え方は変わりましたか?

【伊藤】全国では例のない北海道ならではの課題にも対応し、実践されていることに柔軟さを感じました。トラックの話でいえば、トドックのような宅配事業は全国どこのコープでも行っていると思っていたのですが、実際は北海道と一部地域でしか行っていないと知って驚きました。

【佐藤】先ほど組合員さんファーストの話をしましたが、トドックの宅配事業も、まさにその姿勢を表しているのかなと思っていて。宅配は、高齢者など買い物困難者も快適に暮らしていただくための組合員さんファーストな取り組みなのだろうと感じました。

【髙田】北海道の地域に根ざした展開をしているところが好きだなと思いました。例えば、畑でレストラン。畑で採れた野菜をシェフが調理し、畑で味わうイベントです。農家や地域の方々と関係を構築されている点も含めて、素晴らしい取り組みだと思いました。

——講座で学んだ経営学部の先輩として、高校生へ伝えたいことは?

【髙田】この講座の学びから、企業や団体がそれぞれの強みを生かした取り組みをすれば、世の中や地域がもっと良くなっていくのかもしれないと想像が膨らむようになりました。いろんな人の考えや意見に触れて、自分の価値観や考え方が広がる感覚って、高校までの勉強では決して得られないものですね。

【小寺】この講座を通して、社会に貢献する事業に取り組むことの大切さを発見しました。みんながイメージしている経営の学びを、一番体感できる授業だと思います。経営を学びたい方はこの授業をとってほしいですし、グループワークが好きな方にも向いていると思いますよ。

【佐藤】コープさっぽろはさまざまな事業への取り組みにより、差別化されているからこそ、道民に愛される存在になっているのかなと思いました。高校までの勉強は座学が中心ですが、今回の講座は、実際に手を動かして、仲間と話し合って作り上げていくのでやりがいがあります。実際に社会で働く方から話を聞く経験は、大学生ならではのものだと思います。

【伊藤】正直、コープさっぽろはスーパーだけだと思っていたんです。この演習を通して、スーパー以外の事業で想像以上に多くの人の役に立つアプローチをなさっていると知り、考えが変わりました。知らないのに、勝手な先入観を持っていたなって。大学には、小中高の学習とは違う学び方があるよと伝えたいですね。もし、高校までの勉強が嫌いであっても、大学の授業が向いていたり、興味のある学びと出会えたりするかもしれません。

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