03
28 2023

<TOPIC人文学部> もっと英語を学ぼう。 留学で見えてきたこれからの自分。

人文学部は体験型の学びにも力を入れており、その一環として本学の協定校であるカナダ・レスブリッジ大学で語学研修などを行う留学プログラムを用意しています。本学部生であれば日本文化学科・英米文化学科/1部・2部を問わず参加することができます。コロナ禍による2年間の中止を経て、2022年度にプログラムを再開。「英米文化特別演習」(1年次以上/9月〜3週間)には12人、「国際文化特別演習」(2年次以上/9月〜14週間)には9人の学生が参加しました。学生たちは現地の家庭にホームステイしながら、レスブリッジ大学での授業で英語運用能力の養成に取り組むとともに、さまざまな異文化を体験しました。参加した学生の中から4人に、プログラムを通して経験したことや得たものなどについて話してもらいました。

[英米文化特別演習(3週間)参加]

人文学部1部日本文化学科1年 伊原 綾花 (市立札幌旭丘高校出身)

人文学部2部英米文化学科2年 老月 咲桜 (北海道帯広緑陽高校出身)

人文学部1部英米文化学科2年 蘇武 寛音 (北海道岩見沢西高校出身)

[国際文化特別演習(14週間)参加]

人文学部1部英米文化学科2年 工藤 理乃 (北海道旭川北高校出身)

英語で学び、絆も深めていった毎日。

–留学プログラムに参加しようと思った理由を教えてください。

【蘇武】 語学力を上げたいというほかに、海外の文化に興味があったので、日本国内にいるだけでは分からないさまざまな価値観に触れて、人文学部生として人間についてもっと考える機会にできたらいいなと思って参加しました。3週間のプログラムにしたのは、費用の面もありましたが、国内でもコミュニケーション能力に自信がないのに、海外で14週間もやっていけるか心配で。でも、行ってしまえば、やるしかないと思えましたし、終わってみればもっといたかったと感じるぐらいでした(笑)。実は、コロナ禍で人と関わる機会が減り、コミュニケーション能力が低下していた自分を変えたいと思っていたのも、留学を決めた理由の一つでした。

【老月】 私も、3週間のプログラムに参加。初めての海外留学で不安があったので、まずは期間の短いプログラムで試してみようと思ったんです。夏休み中に経験できるというのも、ちょうど良かったです。私は中学の頃から英語に興味があり、英米文化学科に進学したのは英語を学べることに加えて、留学プログラムが複数あったことも理由でした。ですから、ぜひ留学して日本とは違う文化や生活に触れてみたいと思っていました。食べることが好きなので、向こうの料理を食べてみるのも楽しみにしていました (笑)。

左から、伊原さん、老月さん、工藤さん、蘇武さん

【伊原】 外国に憧れがあったことと、異なる環境で生活すると新しい自分や価値観を見つけられるとよく聞くので、私もどう感じるのか経験してみたいと思って参加しました。3週間のプログラムを選んだのは費用的な面と、初めての海外だったので、短期間で先生が同行してくださる方が安心だったからです。私は日本文化学科所属なので、人文学部生ならどちらの学科でも行けるこの留学制度は、すごくいいと思います。

【工藤】 高校時代、留学経験のある友達がすごくアクティブで、考え方とかに刺激を受けて私も留学してみたいと思っていました。初めての海外に心配もあったので、最初は3週間のプログラムを考えていましたが、ガイダンスで説明を聞いているうちに、いずれにしろコストはかかるのだからせっかくなら長くいたいと思って14週間に。就職活動などのタイミングを考えると2年生で行きたかったので、今回、プログラムが再開されて本当に良かったです。

 –ホームステイ中はどんな生活をしていましたか?

【工藤】 私は最初の1週間だけ別の家庭でお世話になってから、留学中ずっと過ごしたホストマザーのところに移りました。すごく居心地のいい家で、近くに住むお子さんやお孫さんが週末には集まって一緒に食事をしました。人数が多いと会話に付いていけないこともあったのですが、日常的にはホストマザーと2人だったので話しやすかったです。車で2時間ほどかかるウォータートンという景色がすごくきれいな公園に連れて行ってくれて、一緒におしゃべりしながら散策したのはいい思い出です。

【老月】 私のホームステイ先は、ホストファーザーは仕事の関係で週末にしか帰ってこなかったので、普段はホストマザーと2人で暮らしていました。とても友達が多い方で、人を招くことが多かったですし、ほかの家でパーティがある時には私も連れて行ってくれました。日曜には教会にも一緒に行かせてもらって、そういう生活の中の文化の違いなどを感じられたのはすごくいい経験になりました。最初は言葉の面が心配でしたが、ホストマザーはお孫さんがいっぱいいるおばあちゃんだったので、子どもと接する時のようにゆっくり話しかけてくれたことで、理解しやすかったです。

【伊原】 ホストファーザーとホストマザー、5歳の男の子、そして別の大学からの日本人留学生もいました。みんなそろって夕食を食べながら、今日は何があったのかを必ず聞いてくれたのですが、最初はあまり詳しく話せず、ほかの人たちの会話もよく聞き取れなかったので、その時間が来ると緊張していたんです。会話に加われるようになりたくて、ホストマザーと後片付けをしている時に内容を教えてもらっていたら、食事中にも話し方などに気を使ってくれるようになり、私も楽しく話せるようになっていきました。

【蘇武】 僕は、同じプログラムに参加した学生と2人で、ご夫婦と息子さんのいる家庭でお世話になりました。ホストファーザーもホストマザーもすごく優しくて、僕の話を聞き取ろうと頑張ってくれたり、言葉に詰まっていると意図をくんで確認してくれたり、細かく気を使ってくれてありがたかったです。最初の頃は英語が分からない、どうしようと悩むばかりでしたが、留学期間が残り2週間半ぐらいになった時、せっかく来たのにこのままではまずいと思いました。そこで、片言でも良いからテンションをあげて積極的に話すように心がけてみると、一気に交友関係を広げられるようになりました。

–授業はどのような内容だったのですか?

【伊原】 リーディング・ライティングと、コミュニケーションの2つの授業がありました。基本的に予習が必須で、コミュニケーションの授業で週1回、英語でプレゼンテーションをする機会には特に準備に追われました。私は日本文化学科なので英語でプレゼンをした経験がなく、すごく緊張もしました。準備にも時間がかかったのですが、ホストファーザーが調べるのを手伝ってくれたり、書いたものを確認してくれたり、協力してくれてうれしかったです。

【老月】 私も、予習·復習をしないと追いつかないので、しっかりやっていました。プレゼンはカナダについてという大きなテーマがあって、その中でそれぞれがテーマを決めて発表。テーマを決めるのもプレゼン資料の用意も自分でしなければならず、英米文化学科の授業で英語でプレゼンをした経験はありましたが、別の難しさを感じました。

【蘇武】 リーディング·ライティングの授業の時は、レポートや課題に時間がかかり、少し苦戦しました。プレゼンテーションの方は、留学生活を楽しめるようになっていた頃に始まったので、下手だったとは思いますが、自分としてはむしろ楽しかったです。

【工藤】 プレゼンテーションでは何も見ないで話すことになっていたので、話す内容を覚えて友達と何度も練習したり、ネイティブの友達にアドバイスしてもらったりしました。その授業のおかげで、プレゼンには少し自信がつきました。平日はだいたい9~15時が授業で、その後は大学内のジムに行ったり、街の中にあるトランポリンやボウリングなど毎日いろいろなところへ(笑)。土日には、課題に取り組みました。レスブリッジ大学の学生が私たち留学生に対応してくれるランゲージパートナーという制度があり、私はパートナー学生とすごく気が合って、英語でこんなに楽しく会話ができるんだと思えたことも大きな収穫でした。

それぞれが変化を実感できる経験に。

–留学を振り返って、身についたことや思い出を教えてください。

【蘇武】 英語力については、カナダにいる間はどんどん上がっていった実感がありました。最後に、僕たち留学生が現地のラジオ放送に出演する機会があって、その時が僕の英語力のピークだった気がします(笑)。留学中の思い出などたわいもない話をしたんですが、僕はもともとラジオが好きだったので、すごくいい思い出になりました。

【工藤】 私はランゲージパートナーの友達と出会えたことが、とても大きかったです。今もよく電話で話していますが、英語力を維持するためにも役立っています。印象的だったのはハロウィン。子どもたちが仮装して家を回っているのを見て、日本で見るような若者が仮装して街に出るようなイベントではなく、これが本来のハロウィンの文化なんだなと感じました。1週間ほど授業が休みの期間には、日本人の友達とホテルや飛行機を予約してバンクーバーへ。留学期間が長いと、そういう機会をつくれる良さもありました。

【老月】 ホストマザーの友達の中に、赤ちゃんがもうすぐ生まれるという人がいらっしゃいました。元気な赤ちゃんを生んでねという気持ちを込めて「ベイビーシャワー」というパーティが開かれ、ミニゲームをしたり、おいしいものを食べたり。みんなでお祝いするムードがとても楽しかったですし、日本にはない現地の文化を経験することができて印象に残っています。日本とは違う景色、文化、食などさまざまな新しいことに触れられたのが新鮮で、ほかの国にも行ってみたいと思うようになりました。

【伊原】 留学中、現地の人はもちろん留学生同士でも積極的に話そうと心がけていたことで、友達がたくさんできたのが良かったです。同じクラスにいた沖縄の大学から留学に来ていた子とは、ずっと前からの友達のように仲良くなれました。通学のバスで隣になったのをきっかけに、仲良くなった友達もいます。現地の友達と出かけると、同じものを見ても感じ方や考え方が違うことが多く、それも面白かったですね。ホストファミリーともすごく親しくなれて、今も毎週テレビ電話で話しています。そういう人たちと出会えたことが、英語をもっと学ぼうというモチベーションになっています。

–留学を経験して、変わったと感じることはありますか?

【伊原】 留学前も英語で話す外国人の友達がいたんですが、相手の話の分からないところをいちいち聞き返すのが申し訳なくて、うまく会話ができなかったんです。でも、留学に行ってからは、失敗を怖がらず知っている単語だけでもとりあえず話すようになりました。これまで英語の勉強は資格取得に重きを置いていましたが、話す練習も必要だと感じたので、その勉強も始めました。英語で話すことに自信をもっと高めて、もう一度留学したいとも思っています。

【老月】 留学を通してこれまでにない経験ができ、視野が広がったと感じています。語学の面では、リスニング力が高まったかなと思います。初めは、単語はところどころ聞こえても、何を言っているんだろうと思うことがあったんですが、毎日英語でコミュニケーションを取っているうちに、だんだん分かるように。帰国後、ネイティブの先生が担当する英語の授業でも、言っていることがだいたい聞き取れるようになっていました。もっと英語を学んでいこう、将来は英語を生かせる職に就けたら、と考えるようにもなりました。

【工藤】 私は、行動や考えも変わりました。留学中は時間が限られていたので、なんでも経験してみよう、できるだけ交流の機会をつくろう、とすごくアクティブになっていました。帰国後もこれまでは行くか迷っていた海外旅行にも行くなど、今までだったら躊躇したようなことも、まずやってみようと思うようになりました。私の場合、12月に帰国してから新学期までは授業がないので、この期間を有意義に過ごして就職活動の武器にしようとTOEICの勉強をしています。留学で身につけたことを、無駄にしないようにと意識しています。

【蘇武】 一つは、以前より明るく積極的になれたかなということです。カナダで恐れ知らずにいろいろなことに挑戦できた経験が、自分を変えたんだと思います。もう一つは、僕はもともと英語が話せるようになりたいというより英語という言語に興味があるんですが、それがなぜなのかよく分からず、具体的なビジョンが見えていませんでした。でも留学中、言語にはその人の考え方や内面が出てくるんだな、それは文化や地域によっても変わるんだなと思い、そういうことを勉強していきたいんだと気づきました。3年次から始まるゼミでは、その方向性で学びたいと思っています。

–この留学プログラムの特におすすめしたいところは?

【工藤】 日本人も外国人も含めて、日本で暮らしていたら会えなかった人たちと仲良くなれる機会に恵まれます。現地で見たり聞いたりしたことはすべて自分の経験値になりますし、費用はかかりますが、それだけの価値があると思います。レスブリッジ大学は規模が大きく施設も充実しているので、大学生活も楽しめます。

【蘇武】 僕も、幅広い人たちに会えるというのが大きいと思います。様々な人と交流してみたい方は、ぜひ行ってみてほしいです。英語にそんなに自信がなくても、高校までの英語ができればきっとなんとかなります。各国から留学生を受け入れている大学ですし、カナダは移民が多いので英語が第二言語という人がそれほど珍しくない環境ですから、過ごしやすいと思います。

【老月】 海外で過ごすと、新しい文化に必ず触れることができるので、日本では考えもしなかったことを改めて考えたりする機会になります。生活面でも、例えば家の中で靴を脱がないといったことが新鮮でしたし、何か新しいことをしてみたいなら、試しに3週間でもいいから行ってみたらいいんじゃないかと思いますね。

【伊原】 私は参加する時、もう少し英語を勉強して2年生になってから行った方がいいかなと迷いました。でも、行けるうちに行っておかないとまた中止になるかもしれないし、今行きたいから行くんだと決心して良かったです。海外に住みたいとか、英語を使って仕事をしたいとか、留学を経験して自分の考えが変わったので、そのために行動できる時間が長ければ長いほど、いろいろな準備ができるはず。留学を希望しているなら、早くに行ってみることをお勧めしたいです。

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