<経済学部トピックス> 普段の生活では関わることができない 経験と出会いが詰まった4日間
学生たちは、実際に現地へ出向いて「地域づくり」「まちおこし」「国際交流」などの事例に触れ、地域の方々と交流します。地域が抱えている問題や具体的な取り組み、まちを活性化させるために尽力している関係者の皆さんの思いを知る機会は、感性豊かな年代の学生にとってかけがえのない経験になっています。大学の講義やゼミナールで学んだ理論と知識を地域の課題に当てはめて、具体的な改善策を考えるなど、実践力を身につけることが地域研修の大きな目標のひとつ。また、事前の情報収集の方法、地域研修実施時のヒアリング、研修成果や報告書のまとめ方、報告会時のプレゼンテーションまで、複合的な学びの要素が詰まった科目でもあります。地域研修では上園ゼミに所属し、豊富町でのフィールドワークに参加した学生に現地の話を聞きました。
[地域研修(4日間)参加]
経済学部1部経済学科2年 佐藤 瑞記 (登別青嶺高校出身)
実体験して地域を知る、貴重な機会。
——地域研修に参加したきっかけは?
【佐藤】 僕は経済学科なので、最初は「地域」にあまり興味はありませんでした。でも、現地に行くのは楽しそうだなと思ったのが、上園先生のゼミの行き先だった豊富町のフィールドワークに参加したきっかけです。道北エリアにある豊富町の地域を活性化させるためにはどうすればよいか調査するにあたり、エネルギー、子育て、酪農、観光をキーワードに学生がグループごとに役割分担。僕はエネルギーを担当しました。
——道北エリアや豊富町はいかがでしたか?
【佐藤】 豊富町までバスで向かったのですが、オロロンラインを北上して豊富町が近づいてくると、幌延町のあたりから風力発電の風車がずらりと並んでいて、その迫力ある景色に驚きました。通常、風力発電施設は一般の人は立入り禁止で、遠くから眺めることしかできません。でも、豊富町のユーラスエナジーの風力発電所では、風車の真下から見学させていただきました。100m以上の高さがあるので、まるでビルのように巨大で驚きました。
——地元の高校生と交流する機会もあったそうですね。
【佐藤】 高校生を対象に上園先生がSDGsに関する講義を行った後、高校生と北海学園の大学生と交流の時間がありました。豊富町のいいところ、普段遊んでいる場所などを教えてもらったりして。シャイな高校生が多かったので、なるべくこちらから質問するように心がけました。豊富町はコンビニも少なく、営業時間も札幌に比べて短いです。普段、自分たちが当たり前に思っている生活や、目にしているものがない地方の生活を垣間見られたことも、大きな気づきになりました。
——印象に残っていることはありますか?
【佐藤】 特に貴重だったと思うのは、酪農家である北崎農園での体験です。100ヘクタールほどの広大な敷地があるものの、豊富町では中規模とのこと。
手で乳搾りをした時に牛の体が温かかったことや、搾乳した生乳から作ったアイスクリームの味が濃かったこと、生き物相手で休めない仕事だけに酪農ヘルパーさんという存在がいらっしゃることを知りました。また、油膜が浮く泉質の豊富温泉で入浴したり、サロベツ湿原でカヤック体験をしたり。サロベツ湿原のガイドさんや豊富町にある川島旅館の女将、そして役場が、地元の方々とつないでくださったおかげで、観光で訪ねただけではできない経験や出会いが数多くありました。
——豊富町の特徴とは?
【佐藤】 風力発電所のほかにも、豊富町の特徴として天然ガスの産出が挙げられます。国内の産出はほとんどない中で、豊富温泉横の施設で天然ガスが出ているんです。地震があると、たまに通常とは違った場所からガスが噴出することがあると聞きしました。東日本大震災があった際も噴出量に変化があったそうです。科学的根拠は不明とのことでしたが、住んでいるからこそ肌で感じられる変化など、現地を訪れなければ聞けない話が伺えたと思います。
地域の人や他大学の学生との交流から学ぶ。
——他大学との交流もあったそうですね。
【佐藤】 豊富町のフィールドワークは、他大学のゼミ同士で行うインゼミ(インターゼミナール)を取り入れています。大阪成蹊大学の学生と一緒に活動しました。最初は会話も少なめでしたが、初日の夕ご飯で一緒にカレー作りをしたり、一緒にBBQをしたりするうちに仲良くなり、気づけば夜はずっとトランプをしていましたね。食事といえば、川島旅館の名物、地元の生乳と食材から作る「とよとみフレーバーバター」とパンを食べ放題でいただいて。鮭や昆布味のバターがとてもおいしかったことが印象に残っています。
——オンラインの報告会がはいかがでしたか?
【佐藤】 現地では、町長のお話を伺い、役場の職員の方と意見交換したことも町の政策を知る貴重な経験になりました。先日、一緒に豊富町でフィールドワークを行った大阪成蹊大学と、福岡県にある久留米大学の学生と共にインゼミ形式の報告会をオンラインで行いました。北海学園の学生も全員が話しましたが、豊富町で同じ経験をしても、道内外の大学で見え方、感じ方、関心を持つ出来事の違いやまとめ方の違いがあって、興味深かったです。4日間の滞在を通して、豊富町の特長を生かした取り組みを実際に体感できたことは、得がたい経験になりました。
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