04
15 2024

<HOKKAIDO> 北海道にしかない魅力を、 日本に・世界に発信

中川町町役場 高橋 直樹 2003年法学部法律学科卒業

人口1300人。北海道の北部に位置し、山と川の豊かな恵みを受ける町「中川町」の役場が高橋さんの職場です。役職名は「地域商社設立支援室兼産業振興課産業振興室 室長」。肩書も長いですが、業務範囲も多岐にわたります。観光や移住を促進するためのイベントや仕組みの企画・運営したり、大学連携や企業と連携して中川町の可能性を広げたり。中川町の資源を生かした産業を開発するためのクリエイター探しや販路拡大のための営業、町内での起業支援、道の駅や温泉ホテルなどの施設管理も担当されています。北海学園大学の学生を対象にしたインターンシップ制度もありますので、ぜひご応募ください。

道内の高校を卒業後、北海学園の法学部法律学科に入学。書店店員や塾講師の仕事を経て、今の職場で働き始めました。経理、広報、住民窓口などさまざまな業務を担当したあとに、森林・林業の部署へ。そこでの仕事を通じて、中川町にはたくさんの可能性あるのに全然活かされていないことに気づいたんです。その魅力とは、圧倒的に豊かな自然資源です。北海道は広い。本当に広いんです。広いからこそ、なかなか活かしきれない。

森の中や山の中を丁寧に観察すると、発見と気付きだらけです。生えている木や植物、土、そこに住む動物。例えば、山ブドウの樹皮やツルは木工のいい素材なのですが、本州のとある地域ではでは山奥や崖にしかなくなかなか採れないのです。でも、中川町にはたくさん生えている。こういう自然資源がたくさんあるので、本当はもっともっと活かせるはずなんです。東京や世界に出なくても、そこにはたくさんの知らないことがあり、飽きることはありません。それが僕にとって、中川町で働くことの魅力です。

最近の中川町には、この自然を求めて道外から移住してくる人が増えました。日本中探しても中川町にしかない魅力がある、という証拠だと思っています。これをより多くの人に知ってもらいたいと、道内だけでなく東京や他の地域に住んでいるさまざまなデザイナーや木工作家さん、研究者のみなさんや企業の方などとコラボレーションしながら仕事をしています。さまざまな人と仕事をするためには、いくら学んでも足りません。そこで僕が大切にしていることは、まず自分で体験してみることです。気になった場所に行ってみる、興味を持ったことをやってみる、話してみたいと思った人に会いに行く。百聞は一見にしかず、とはよく言ったものでまさしくそのとおりだと思います。せっかく大学生になるのだから、どんどん外に出てみてください。

とはいえ旅はお金も、時間もかかる。だから、僕は読書も体験と同じくらい大切にしています。大学生のころからたくさんの本を読んできましたし、それは今も変わりません。本には先人の知恵が詰まっています。自分がなにか壁にぶつかったとき、世の中のどこかに似たような壁にぶつかっている人がいるものです。壁にぶつかった経験と、壁を乗り越えようとした挑戦がまとまっているのが本です。仕事をするようになってからは特に、何かを始める前に本を参考にすることが増えました。社会に出てからも、学びなおしはできますが、お金がかかるし、時間も限られます。大学生のうちに学べることは学んでおいた方が絶対に良い。旅と読書で、どんどん知的好奇心を育ててください。

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