#国際交流[韓国] そこでしかできない経験が、 きっと自分を成長させてくれる。
北海園大学は、海外11大学と交流協定を結び、学生交換事業や学術交流を行っています。本学学生たちのためにさまざまな留学プログラムを用意していますが、ここでは2021年度に「学生交換事業(短期派遣)1年以内」のプログラムを利用して約10カ月間、韓国・大田大学校で留学生活を経験した五十嵐さんと酒井さんに、留学の思い出や魅力について聞きました。
人文学部1部英米文化学科4年 五十嵐 紗英(北海道岩見沢東高校出身)
工学部建築学科3年 酒井 萌衣(市立札幌清田高校出身)
もっと韓国語を学ぶため。
–留学することは、いつ頃から考えていたのでしょう?
【五十嵐】 私は英語が好きで英米文化学科を選んだので、英語力を磨くためにも在学中に留学したいなと入学時から思っていました。北海学園にはカナダでの留学プログラムがあるので、それに参加しようと考えていたのですが、コロナ禍で中止になってしまって。そんな中、韓国であれば留学できると聞いて、今しかないだろうと思い立って、参加することにしました。もともと韓国の音楽やドラマが好きで韓国語に興味を持ち、1年次から「韓国・朝鮮語」の授業を履修していたこともあり、留学をきっかけに韓国語の能力をさらに高めたいという気持ちもありました。
【酒井】 私には建築学科OGの姉がいて、姉も在学中に韓国での約3週間の「夏期海外研修」に参加していました。姉から聞いた研修の話が楽しそうでしたし、私自身もK-POPをきっかけに韓国に興味があったので、大学生になったら留学したいと思っていました。ですから、進学先を北海学園の建築学科に決めたのも、インテリアや空間デザインを学びたかったのが一番ですが、工学部の学生も利用できる留学制度があることも理由の一つでした。
–留学を希望していたとはいえ、決める時に迷いや不安はありませんでしたか?
【五十嵐】 10カ月も海外で暮らすというのは、やはり不安でした。でも、韓国語の力をしっかり身につけたいと思っていましたし、長期間滞在できるのならたくさん勉強できることになりますから、迷うぐらいなら挑戦してみようと思い、参加を決めました。
【酒井】 私は1年次の夏休みに、姉も在学中に参加していた「夏期海外研修」というプログラムで一度、韓国に行ったのですが、事前に「韓国・朝鮮語」の授業を履修していたとはいえ、その時はまだうまく会話ができる力がなくて。その経験から、韓国語をしっかり話せるようになりたいと思って今回の参加を決めたので、特に不安はありませんでした。韓国の生活にも興味がありましたから、10カ月間暮らせるのは楽しみでした。ただ、工学部の中でも建築学科は必修科目が多いですし、卒業に必要な単位の取得を考えると、留学後は大変だなとは思いました。でもそれは、4年次に頑張ればいいことなので、留学できる機会は大学生の今だけだと思って決心しました。
積極的に動いて、話して。
–留学中はどんなふうに過ごしていたのか教えてください。
【五十嵐】 コロナ禍のため授業はオンライン中心で、寄宿舎の自室で授業を受けることが多かったです。私たちがいる寄宿舎は大学にすごく近いのに、実際に行くことができないのはちょっと悲しかったですね。ただ私は、初めての韓国留学だったため、最初に留学生向けの語学センターのようなところで韓国語の基本を学ぶ必要があり、その時には一部だけですが対面での授業も受けられました。約20人のクラスのうち日本人は私だけで、ベトナム、中国、イラク、エルサルバドルなどからの留学生と一緒でした。むしろほかに日本人がいなかったことで、恥ずかしさを感じずにクラス内で会話をしたり、交流したりすることができたように思います。授業はすべて韓国語で行われるので、最初は付いていくのが大変でしたが、毎日必ず予習・復習をして頑張りました。大学の近くにあるカフェで韓国人の学生たちが勉強していたので、私もそこに行って勉強しながら、交流する機会もつくるようにしていました。
【酒井】 私は以前の留学時に語学センターで学んだので、今回は最初から大学で韓国語を学ぶ留学生向けの授業を受けたり、韓国人の学生と一緒に建築学科のインテリアデザインに関する授業なども履修したりしました。ただ、オンライン授業は自室にこもって受けることになるので、それ以外の時間はできるだけ外に出て韓国語に触れる機会を多くすることを意識して過ごしました。例えばカフェに行けば注文をする時に韓国語を使うことになりますし、周りから聞こえてくる言葉も韓国語なので、韓国語に触れる機会を増やせます。コロナ禍で難しいところはありましたが、なるべく自分から動いて、韓国の人たちとコミュニケーションを取ろうと心がけました。前回の留学時にできた友達に連絡を取ってみると快く返信してくれて、一緒に遊びに行ったりもしました。韓国で友達と遊ぶというと、ごはんを食べて、カフェに行って、というのが定番です。
【五十嵐】 ごはんを食べたら、カフェに行くというのがセットになっているんですよね。ごはんにだいたい1-2時間、カフェにはもっと長くいるかな(笑)。
【酒井】 長い時なら3時間とか、ずっとおしゃべりしています(笑)。韓国はどこに行ってもカフェがあって、そこでの時間を楽しむ文化があるみたい。ボードゲームが置いてあったり、日本にない雰囲気やインテリアの店などいろいろあるので、SNSで行きたいカフェをチェックして、インテリアの勉強も兼ねてあちこち巡って楽しみました。
–留学中、特に印象に残っている出来事はありますか?
【五十嵐】 気付かないうちに、韓国語が聞き取れるようになっていた時は、かなり驚きました。初めの頃は韓国語がうまく聞き取れなかったので、コンビニで会計するのもちょっと怖いみたいな感じでした。それが、4カ月ぐらいたった頃、急に聞き取れるように。買い物に行って気付いたら、店員さんと普通にやり取りができて、「韓国語が分かった!会話できた!」とうれしくなりました。韓国語の授業で力がついたことと、韓国人の友達ができた影響もあったと思います。最初のうちは、聞き取れないことを何回も聞き直すのが申し訳なくて、韓国人の友達をつくるのが難しいなと感じていました。でも、あまり考えすぎないようにしよう、自分が話せることを話そうと割り切ってみると友達ができて。それも、韓国語の実力アップにつながったと思います。
【酒井】 留学し始めの時期に、韓国人の友達と2人で遊んだ時のことが印象に残っています。それほど韓国語が話せる段階ではなかったとはいえ、少しは話せるだろうと思っていたのに、実際は簡単な会話でも言葉がすんなりと出てこなくて。すごく悔しかったことをはっきりと覚えています。この出来事が、もっと話せるようになりたいというやる気をさらに引き出してくれました。
これからにつながる自信を手に。
–留学を経験して、良かったと思うことを教えてください。
【五十嵐】 留学していなかったら、絶対に出会えなかっただろうなという人たちにたくさん出会えたことが、一番良かったと思えるところです。実際に今回の留学では、韓国の学生だけでなく、ほかの国からの留学生とも友達になれましたから。自分から積極的にコミュニケーションを取っていくことで、つながりを広げられましたし、留学生同士は英語で話すことも多かったので、英語の勉強にもなって一石二鳥でした。自分から話しかけるのは最初は恥ずかしかったのですが、そうした経験を通して、以前より自分に自信が持てるようになったと思います。私はこれから、就職活動に取り組みます。同期のみんなより就職が遅れることになりますが、留学をせずに卒業するよりも、留学した方が自分のプラスになると思ったので、それは覚悟していたこと。留学は自分の成長につながりましたから、それを就職活動で発揮できたらと思っています。
【酒井】 前回の研修は長めの旅行みたいな感じだったのですが、今回は韓国に約10カ月「住む」ことになったので、印象が大きく変わりました。現地の方同士で使う特有の言葉を知ったり、いろいろな考えの人がいることを知ったり、日本にいるだけでは知ることができない韓国の姿に触れられたことが良かったと思います。コロナ禍で留学していいのかという気持ちもありましたが、やはり行って良かった。自分で決めたことを実行して、心配ばかりするより挑戦してみることの大切さを学べました。言葉がよく通じない中で生活した経験も、これから何をするにしても自信になるはず。日本なら言葉が通じるのだからなんとかなる。そんなふうに思えるようになったことが、すごく良かったなと思います。
–留学の魅力はどのようなところだと思いますか?
【酒井】 留学は、語学以外にも学べることがたくさんあります。例えば街の風景そのものも伝統的な建物も日本とは全然違いますから、実際に見ることですごく勉強になります。日本と異なる生活や文化に触れ、多様な考え方を知るチャンスにもなります。私はインテリアや内装に関わる仕事を志望しているので、留学中にインテリアの講義を受けて、韓国で建築に携わっている先生に教わることができたのは貴重な経験になりました。授業ではプレゼンテーションの機会が多かったので、自分から進んで取り組み、発信する力もついたと思います。行く価値は、すごくあると思います。
【五十嵐】 私もそう思います。現地でしか出会えない人たちに出会うことができますし、語学を学ぶなら留学はやはりおすすめです。生の韓国語を毎日聞けて、韓国人の友達もできますから、とても効果的だと思います。私は韓国の方たちも、国自体の雰囲気も好きなんです。日本よりも自由な感じがして、そこに魅力を感じます。コロナが落ち着いたら、またぜひ行きたいです。
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