03
28 2024

専門分野プラス デジタルにも強い 理科教員に。

工学部生命工学科4年 寺田 紀葉 青森県立五所川原第一高校

理科の教員免許を取得するため生命工学科を選んだ寺田さん。入学前はパソコンが苦手でしたが、実習でプログラミングを経験し、情報系分野への抵抗感を払拭できました。卒業研究は、ブドウも酵母もオール北海道産のワイン造りに挑戦中。北海道の植物から取れた酵母を選抜し、八剣山ワイナリーの協力のもと、オリジナルワインの商品化を目指し、奮闘する毎日です。

実習で苦手を克服。

理科が好きになったのは小学生の頃。先生が教科書の表紙に描かれた地層をみんなに見せながら、「どうして地層ってあるんだろう?」と問いかけました。そのときから地球ってすごいな、理料って面白いなと興味がふくらんできて、理科の教員になりたいと思うようになりました。理科の教員免許が取れる大学は他にもありましたが、バイオ系をやりながら情報系も学べる大学は珍しく、北海学園大学の生命工学科を志望しました。正直なところ情報系は苦手分野だったんです。高校時代はパソコンをさわるのもイヤ。間違って壊しちゃうんじゃないかと思っていたぐらいです(笑)。

プログラミングの実習はパソコンが苦手な私にとって大変でした。「じゃんけんゲームを作る」といった課題に対して、みんなそれぞれプログラミングに取り組むのですが、できる人はすぐに終わっちゃって、私は何度やってもエラーが出るし、そもそもどうしてエラーが出るのかもわからなくて困っていたんですが、友人や先生方が一緒になって考えてくれて、無事に課題をこなすことができました。今まで動かなかったものが動いたときはうれしくて、それまでの苦しさを忘れてしまうほどでした。今では、パソコンに対する抵抗感もなくなって、もっといろいろ学びたいなと思っています。苦手だからやらないのではなく、まずはやってみることの大事さも同時に学びました。

4年生の6月に地元青森県の中学校で教育実習を行いました。生徒に1人1台パソコンが支給されていたことから私は、従来の黒板を使ったスタイルではなく、授業内容をパワーポイントに落とし込んで行いました。内容をただ文字で書くだけではなく動画を組み込んだり、ここは大事だなと思うところではアクティブラーニングを取り入れて、生徒同士で話し合う時間を設けました。実習の最後にクイズ形式で学習の振り返りを行ったのですが、思った以上に生徒のみんなが学習内容を理解してくれて、すごく手応えを感じました。生徒から授業形式が新鮮で面白いと言ってもらい、嬉しかった記憶があります(笑)

教職課程で学んだことはもちろんですが、情報系の学習を含め、4年間で学んだことをいろいろと試すことができました。

ワイン、造ってます。

地学好きの私が、生物系にもっと興味を持ったのがバイオテクノロジー実習がきっかけでした。実習では自分の髪の毛の根毛からDNA抽出し、解析を行い、「お酒に強いかどうか」を調べました。座学で学んだバイオテクノロジーの手技・手法を、実際に手を動かして経験できたことで、これまでの学びがつながっているなと感じられ、これまで以上に興味が湧きました(ちなみにお酒は「飲めるけど、強くはない」という結果でした)。

卒業研究では学園オリジナルワイン造りに挑戦しています。ワインには「テロワール(土地の個性)」が重要といわれますが、北海道産のブドウはもちろん、発酵の要となる酵母も北海道生まれのオリジナルの酵母を使った「オール北海道産」のワインを目指しています。プロジェクト7年目となる今年度は、学園ワインに既に使用されている酵母とは別の味わいを生み出す新規ワイン醸造用酵母を獲得すべく、新沼協先生のもとで研究室の3人の仲間と一緒に、ワイン醸造に好適な北海道に生息する野生酵母を選抜を行っています。研究にあたり、札幌市内にある八剣山ワイナリーに協力をいただきながら、最終的には官能試験(実際にワインを試飲して味わいや香りなどを評価する試験)を行い、商品化し、学園オリジナルワインとして皆さんに飲んでいただくのが目標です。

高校時代は、自分がパソコンを使いこなしたり、ワインを造るようになるなんて想像もしていませんでした。受験校選びは、偏差値も目安の一つかもしれませんが、自分が大学で何を学びたいかを重視して考えるのがよいと思います。 私のように情報系に苦手意識を持っていても、授業で興味が湧いて好きになるということもあるので、何か新しいことにチャレンジすると、知らない自分を発見できるかもしれません。

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