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05 2024

<国際交流/カナダ> 生きた英語を学んだ8カ月。 迷うほど将来の選択肢が 増えました。

人文学部1部 英米文化学科3年 清水 陽介 長野県立須坂東高校

学園大と姉妹校提携するカナダのレスブリッジ大学で、8カ月間の留学を経験した清水さん。「英語の習得だけでなく、文化を知ることで、コミュニケーションや英文学への理解も深まった」と話します。留学後はさらに学びへの意欲が高まり、ダブル・ディグリープログラムで、学園大とレスブリッジ大、両方の卒業を目指します。

文化を体感することで、コミュニケーションはもっと円滑に。

3年次の4月から12月まで、カナダのレスブリッジ大学に留学しました。入学当初から、英文学などの学びを通して、英語を習得し人文学を追求することで人生を豊かにできたらと考えていて、留学は4年間のうちに絶対に経験したかったことでした。就職する前に留学し、進路の選択肢を広げたいという思いもあり、2年次の秋に面接を受け、英語力の強化に励みました。

 レスブリッジではホームステイ先から大学に通学。バスを乗り継いで片道40分ほどかかりました。前半の4カ月は語学を中心に学び、後半の4カ月は好きな講義を履修。僕は、人類学、社会学、世界の宗教、そしてマクロ経済を選択しました。講義の後はジムやクライミングウォールで体を動かし、ホストファミリーと夕食を取って、課題に取りかかる毎日。土日は、向こうでできた友人と映画を見に行ったり、ショッピングモールに行ったりして過ごしていました。

 この留学から一番強く実感したのは、語学を修得しただけでは、コミュニケーションは不十分だということです。言語の背景には、その土地の文化があり、そこで生まれた文学を理解するには、語学力だけでなく文化を理解することが欠かせません。英文学の作品を日本語訳で理解するには限界があり、英語は英語として理解するのが一番だと気がつきました。留学当初は、日本で学んできた英文法にとらわれ過ぎていて、スムーズに話せないことがありました。でも気がつくと、現地の人はそれほどきっちりとした文法を使って話しているわけではないんです。それで僕も文法を無視してでも伝えたいことを伝えようとしてからは、コミュニケーションが格段にスムーズになりました。

海外就職も視野に、ダブル・ディグリープログラムに挑戦。

 まだまだ学ぶ余地はあると思いますが、帰国する前にホストファミリーに、僕の英語力について聞いてみると、「すごく成長したよ」と言ってもらえたので、ちょっとは成長できているのなら、うれしいなと思いました。語学以外のことでは、留学を経験して間違いなくメンタルが強くなりました。以前は、日常生活で理不尽なことがあるとイライラしていましたが、カナダは人種も多様でいろいろな考え方を持つ人たちがたくさんいます。彼らは、自分たちの意見をきちんと伝えてくるんです。そういう関わりの中にいると、考え方の違いも受け入れられるようになりました。

進路選択の一つのきっかけになればと思って決断した留学でしたが、カナダで多様な世界を見て、以前よりも進路に迷うようになってしまいました。選択肢がもっと広がったと言った方がいいのかもしれませんね。4年生の後期からは学園大のダブル・ディグリープログラムという制度を活用し、もう一度カナダに戻って、レスブリッジ大学を卒業したいと考えています。期間を短縮して2つの大学を卒業できるプログラムで、僕にとってはすごく魅力的です。レスブリッジ大学で、今度は歴史や民俗学、言語学などを学び、将来は海外で就職することも視野に学びを深めていけたらと。

8カ月の留学は、僕としては結構思い切った決断でしたが、行ってみると意外となんとかなるものです。広い世界を見ることができるので、ぜひたくさんの学生に留学をお勧めしたいですね。そして、留学するなら趣味や夢中になっているものなど、何か一つでも好きなことを持っているといいと、自己表現や世界中に友だちを作るきっかけになると思います。

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