08
31 2020

人生は選択の連続。 その意思決定にコンピュータが役立つ!?

工学部電子情報工学科 教授 大西 真一 主な担当科目/応用数学I・II数理工学

 

ITもエレクトロニクスも分かるのは、間違いなく強み

―まず、この学科ならではの特徴といえば?
 情報工学の技術と電子工学の技術、ITとエレクトロニクスと言った方が伝わりやすいかもしれませんが、その両方を学べること。それは、就職の際の強みにもなります。学生の多くはITかエレクトロニクスかどちらかの分野に就職しますが、どちらでも反対の知識も持っている人がほしいと、実際に僕が就職の担当をしていた時にも企業から言われました。企業がそういう人を求めている以上、この学科で両方を学べるのは強みになる。学生には、例えば電子の実験もコンピュータの実習もするというように両方を学ぶことによる手間は増える、でもその分以上のメリットはあるよと話しています。

―学ぶ内容も、先生たちの研究テーマも、多様性のある学科といえそうですね。
 それが、この学科の特徴でもあります。ただ、そもそも大学自体が多様性のある場。高校までとは違ってカリキュラムも多様で、しかもその中から科目を選べる。大学には考え方も教え方も違ういろいろな人がいて、それが大学のいいところです。社会に出たらいろいろな人がいるわけですし、特に今はいろいろな価値観があって、多様性が評価される時代ですから、大学でそれを経験しておけるのはいいことだと思います。

―先生同士のつながりは強いそうですが、お互いに多様性を認め合い、尊敬し合ってもいるのでしょうね。
 それは本当にそう思いますね。それに、人のいい先生ばかりなんですよ。ですから、そこは安心して入学してください。

―数学の教員免許を取得できるのも特徴の一つかと。
 ええ。工学部で数学の教員免許を取れるところは非常に珍しいので、それを目指して入学してくる学生が毎年います。僕も大学で数学科の教職の単位を取って教育実習に行きましたし、父を含め親族に教員が多いので、非常にいい仕事だと思っています。僕の研究室へは数学が好きで教員志望の学生も来るので、応援しています。

「人間らしいやわらかな情報処理」を目指して

―先生の専門はデータ解析と意思決定論。どんな分野なのでしょう?
 僕はもともとデータ解析を専門にしていて、そのうちにファジィ理論(※)に出会いました。データ解析でファジィを使って、人間らしいやわらかな情報処理をしようと研究しているうちに、意思決定論というオペレーションズ・リサーチの分野の研究にも取り組むようになりました。より良い問題解決策を合理的に見つけるためのもので、それは結局、何かというと数学的なモデルなんです。意思決定モデルとデータ解析のモデルは非常に似たものもあって、これは応用できるのではないかと研究しているうちに、現在は意思決定論の方が比重が大きくなっているという感じです。
※あいまい性を扱う数学的な理論。電化製品や地下鉄の運転制御などでの応用が知られている。

―どんなふうに研究を進めていくのですか?
 例えば、人生も社会活動も選択の連続なんですが、その選択(意思決定)には理由があると思うんですね。その理由を考えることが、科学なんです。僕は、データ解析も用いながら、人間らしい意思決定をする情報処理の方法を考え、それをコンピュータシステムに行わせるにはどうしたらいいかを研究しています。

―学生たちの卒業研究の取り組み方も教えてください。
 まずは文献を読んでもらってから、プログラミングと数学の復習をしてもらいます。それから、基本的な意思決定のモデルのプログラムをつくり、数値実験。その後、実験から見つけた問題を考察し、どう改良したらいいかを考えていきます。そこまでできれば、卒業研究の題目である問題解決能力が身についたと言えると思います。自分で何かを見つけて、たとえ解決までは行かなくても、その方向に向かっていく。その行動が、大事なんです。

―せっかくの大学生活。ここでどんなふうに過ごしてほしいと思いますか?
 ぜひ、いろんなことをしてほしい。勉強もそうですが、部活でも趣味でも、友達をつくって遊びにいくことでも。僕は学生時代、指導教授から「よく遊んでよく学びなさい」と言われたけれど、それって結構できないことなんですよね。でも、ここにはよく遊んでよく学んで、両方ともアクティブな学生もいっぱいいます。今、一生懸命に勉強している受験生は、学びも遊びも両方できるのを楽しみに、大学に来てほしいと思いますね。

工学部電子情報工学科 教授 大西 真一