<TOPIC経営学部> 北海道で働く魅力って? 業界・企業を私たちの目で見てみた。
経営学部のゼミは、担当教員の専門分野によって実践的なものから理論的なものまで、さまざまな活動を行っています。佐藤大輔ゼミの場合、企業や地域などと連携したプロジェクトをチームに分かれて展開しており、その中の一つ「北海道の業界地図」制作プロジェクトチームは北海道新聞社とともに「北海道の業界地図(第1版)」を発刊。さらに、2021年10月に出版された第2版の制作にも協力し、学生たちが業界・企業研究を徹底した上で北海道を代表する6企業のトップにインタビューを行いました。道内での就職を考える人たちに役立つ情報を届けようと制作に当たったリーダーの宮川さんと、西村さん、白幡さんに活動を振り返ってもらいました。
経営学部1部経営情報学科3年 宮川 綾菜(市立札幌旭丘高校出身)
経営学部1部経営学科3年 西村 望恵(市立札幌新川高校出身)
経営学部1部経営学科2年 白幡 来幸(北海道稚内高校出身)
「業界地図」を通してトップの熱を伝えたい。
–企業のトップにインタビューを行った感想を教えてください。
【西村】 乳製品と住宅関連のトップインタビューを担当しましたが、社長とお話しするという機会はこれまでにないことだったので、最初は緊張してすごく硬くなってしまいました。でも、社長の対応が優しく、こちらが学生なので初歩的なことや当たり前のことを聞いても丁寧に教えてくださって、ホームページなどで知る情報に比べて、より深くまで知ることができました。質問事項は事前に用意していたのですが、その返答に対する受け答えがなかなかスムーズにできなくて。お聞きした話に対して、その場で疑問などを消化するため質問を返すというのが難しかったです。それでも、実際に話を聞いてみると、理念や思いが調べていた以上に強くあることが伝わってきました。
【宮川】 私も西村さんと同じ企業に行ったのですが、事前に抱いていた企業イメージよりさらに使命感が強いんだな、社長の思いが反映されているんだなという印象を受けました。2社のトップインタビューを担当し、事業に対する考え方の違いを感じられたのも興味深かったです。でも、どちらの企業もお客さまのことを考えて、魅力的な価値を提供しているということがすごくよく分かりました。
【白幡】 担当したのが流通と物流業界で、初めはよく分からなくてのめり込むことができず、企業の本質を調べる段階などで少し苦戦しました。それでも一生懸命に企業分析をし、質問事項を準備してインタビューへ。そこで実際に話を聞くと、魅力的だなと感じる部分がどんどん増えていきました。トップの立場だから硬い方なのかなと勝手に思っていたんですが、まったくそうではなく、むしろいろいろなところから新しい視点を得て、それを事業に反映させるという柔軟性がすごくあると感じました。どうしたら会社をより良くしていけるかを常に考えていることも伝わってきて、トップの頭の中はこうなっているんだとちょっとのぞくことができた気がします(笑)。
–この本を通して、どんなことが伝わってほしいと思っていますか?
【西村】 「北海道の業界地図」は、学生にも社会人の方にも見ていただきたいというのがまずあって、その中でも「北海道の」と付いているわけですから、北海道の魅力が伝わってくれたらいいなと思います。特に学生には、働くことに対するイメージとか、魅力についても感じもらえたら。私自身もプロジェクトを通して、働くことや企業に対するイメージが変わり、よりプラスに、リアルに考えられるようになりました。
【白幡】 この本には、若い人材に北海道でもっと活躍してほしいという願いも込められています。北海道ではキラキラした社会人生活を送れないと思っているような人たちにも、これを手に取ってもらうことで、北海道にこんな会社があるんだ、こんなに魅力的なところがあるんだ、と思えるきっかけになってほしいです。
【宮川】 私も、北海道で働くことの魅力を少しでも多くの人に感じてもらえればいいなと思って作ったので、やはりそこが伝わってほしいです。一概には言えませんが、北海道の企業は「北海道のために」という思いが強いのかなと感じたので、そういう部分も伝わるとうれしいです。業界の知識がない学生にも、これを読むことで分かってもらえるとさらにうれしいですね。
–プロジェクトの経験が、自分の就職活動に影響したところはありますか?
【宮川】 私が住宅関連のトップインタビューを希望したのは、そもそもこの業界に興味があったからでした。ですから、実際にトップの方に話を聞けたのはすごくいい経験になりました。就活の段階では、事業の内容とか、営業担当は何をするんだろうとか、そういうところにばかり目が行ってしまうのですが、社長に話を聞くと、その会社の根本にある部分を知ることができ、それまでとは違う目線で業界について理解を深められました。興味を持っていた住宅業界だけでなく、ほかにも魅力的な業界があるはずだと思えて、むしろもっと選択肢が広がった気がします。
【西村】 私も2人の社長に話を聞いて、もっといろいろな業界を見てみたい、知りたいと思いました。インタビュー前の企業研究の段階で本質を探ったり、それまではしなかったようなことまで調べる経験をし、こういう見方もできるんだと分かったことが、これからの就活に生かせるなとも感じました。さまざまな業界や企業を見て魅力を知って、自分に合う就職先を見定めていきたいと思っています。
【白幡】 まだ私自身の就職活動は少し先ですが、インタビューに一緒に行った仲間と、こんなふうにトップの方に話を聞く機会があったら、きっとここの会社に入りたくなるよねという話になりました。直接、話を聞けたことで、いい会社だなと実感できたからです。ですから、もし最初は興味がないと思っていた業界だったとしても、魅力を知れば興味が湧いてくるので、就職活動をする際は業界や企業をしっかり調べていこうと思いました。
形にできたのはチームの力。
–今回のプロジェクトで得た収穫は、どんなものがありましたか?
【西村】 第1版は先輩たちが関わっていて、私たちはそれが出版されてからこのプロジェクトに入ったので、第2版の制作に向けてまず改善点を探し、どう進めていくかなどを何度もチームで話し合いました。実践して反省して、というのを何度も繰り返しましたが、それはもし自分一人だったらできなかったと思います。チームの中で話し合うことで、自分にはないアイデアが出てきたり、そういうこともあるんだという気づきもあったりして、もっとこうしたいという欲が自分の中でだんだん出てきました。今回のプロジェクトを通して、自分はこうしたいという気持ちを以前より強く出せるようになったと感じています。
【宮川】 私はこれまでリーダーの役割の経験がなく、最初はどう行動していいか戸惑いもありました。それでも、仲間と一緒にプロジェクトを進めていくと、メンバーそれぞれが頑張ることも大事だけれど、チーム力が大事なんじゃないかと気づいて、まずは話しやすい環境をつくることから始めようと思いました。例えば会議をするにしても、みんなが親しくなっていないと活発な議論ができず、うまく解決方法を見いだせないだろうと考えたからです。ほかにも、リーダーとしてどう行動したらいいのか考えながらプロジェクトに取り組むようになり、私自身の成長のためにも、すごくいい経験ができたと思います。
【白幡】 このプロジェクトを選んだのは、いろいろな業界や企業を知れるんじゃないかと思ったことが理由でした。その通りになりましたから、それが一番の収穫です。私は2年生なのでゼミに所属してすぐにこの活動が始まり、分からないことばかりでしたが、やってみれば何とかできると思えたことも大きいです。本当にまずい時は仲間や先輩に頼ったり相談したりして乗り越えられたので、チームの良さも痛感しました。
–業界研究に取り組んだ成果は、別の形でもまとめたそうですね。
【宮川】 はい。研究成果として、私たち独自でフリーペーパーの「どさんこ業界図鑑」を制作しました。学生の視点で、学生が知らない情報をどう表現するかをすごく考えて、よりかみ砕いた業界マップを作りました。経営学部OB・OGに協力していただき、業界の第一線で働く若手社員インタビューも掲載。学内で配布し、評判も上々です。
【西村】 学生により見やすく分かりやすく、を目指してアイデアを出し合って完成させました。2冊続けて編集・制作に当たったので、大変な時期もありましたが、どちらも完成したものを手にできて良かったです。
【白幡】 フリーペーパーを作ることになった時、チーム力みたいなものをより強く感じました。宮川さんが情報をやり取りをしやすいようにLINEのグループをもっと活用しようと提案してくれたり、リーダーとして考えて行動してくれたことが大きかったと思うんです。チーム力がなかったら、頼れる人がいなかったら、形にできなかったかもしれません。これからゼミに後輩が入ってきて、私が引っ張っていく立場になった時、先輩たちと同じことができるのか不安はあります。でもそれも、やりながら考えていくしかないですし、今の先輩のように頼れる先輩でありたいなと思っています。
【宮川】 確かに、フリーペーパーを作った時は、みんなすごくやる気はあるし、形にはなってきたけれど、期限もある中なかなか大変で。それで、みんなが頼れる状況がないと進まないかなと考えて自分なりにやったことを、そんなふうに感じてくれていたなんて…うれしいです(笑)。
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