<TOPIC法学部> 話せなくて。悔しくて。 だから英語に本気になった。
法学部のグローバル教育の一環「English-Only Camp」は、1年生をメインに参加を募り、ネイティブ・スピーカーの講師と一緒に英語漬けの4日間を過ごすプログラム。本来は国際色豊かなニセコに宿泊してさまざまな活動に取り組みますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年度は豊平キャンパスと近隣の豊平公園を会場に実施しました。場所は変わっても、すべての活動に英語で取り組み、学生同士の会話も英語というルールは同じ。プログラムが進むとともに、参加者の英語に対する意識やスキルが変化していきます。今回参加した永根さんも、それを実感したそうです。
法学部1部1年 永根 柚香(札幌龍谷学園高校出身)
なんでも挑戦してみよう。
–今回のキャンプに参加しようと思ったのは?
【永根】 もともと私は、英語を使えるようになればいろいろな人と話せるので、価値観とかが広がりそうだなと思っていたんです。ただ、勉強はあまりしてこなくて。それで、大学受験のために英語の勉強をしながら、せっかくコツコツと基礎や文法の勉強をしているんだから、大学に入ったらこれを生かして話せるようになりたいと思っていました。でも、英語を話すのって、やっぱり恥ずかしくて、抵抗があるじゃないですか。だから、まずは英語での会話に慣れることから始めようと思い立ちました。それが、キャンプに参加した一番の理由です。コロナの影響でニセコではなくなってしまいましたが、泊まりがけでニセコに行くのは楽しそうだし、友達ができるかなと思ったのもきっかけでした。寂しいから誰かを無理やり誘うというのは嫌なので1人で参加しましたが、参加した7人全員が初対面同士。だから、参加してみたいと思ったら、1人でも全然気にしなくていいと思います。
–とはいえ、そういう場に飛び込むのは少し勇気がいるように思いますが。
【永根】 実は直前まで迷っていたんですが、思い切りました。私は、こういうことをしたいとか目標をノートによく書き出すんですが、大学に入学した時にはそのノートに「なんでも挑戦してみよう」と書きました。本来は、できなかったら恥ずかしいなとか思うタイプなんですが、実際にやってみたらきっと楽しかったと思うんだろうなって。今回も参加してみたら、本当にそう思えました。
–プログラムの中で、特に楽しかったのは?
【永根】 豊平公園へ写真を撮りに行ったのが、楽しかったですね。プロのカメラマンの方に写真の撮り方や構図などを教えてもらえたり、大学の近くとはいえ学外へみんなで出かけたことも楽しかったです。写真って、言葉があまり関係ないじゃないですか。だから、コミュニケーションに使えるし、感性も伝わるので、いいなと感じました。最終日のプレゼンテーションも印象に残っています。「札幌や北海道の紹介」をテーマに、3チームに分かれて発表。さっぽろ雪まつりなどが取り上げられていた中、私たちはセイコーマートの創業の歴史やオリジナル商品などの紹介をしました。もちろんすべて英語なので、緊張感がありました。時々言葉に詰まったりすることはあっても、原稿を見ないで話したり、表現力豊かに伝えたり、みんなすごいなと思いました。
–キャンプ期間中に、英語を使うことに少しずつなじんでいった感じですか?
【永根】 そうですね。初日は、ネイティブの先生たちが何を言っているのかよく分からなくて。全員がそんな感じで、話しかけられてもガチガチでした。対面とオンライン形式でいろいろなコンテンツがあって、2日目にはニセコにいるネイティブの方とオンラインでつないでレクチャーを受けたり質問をしたりしましたが、この時はまだ全然聞き取れませんでした。それでも徐々に、英語で会話がされる空間や言葉の速さに慣れていきました。一部だけでも聞き取れればいいみたいな感覚が、少しずつ身についてきて、何よりも自分の声帯から英語を出すという感覚がつかめたというか。キャンプ中の帰宅時に人にぶつかりそうになって、「sorry」と言いそうになったんです(笑)。ずっと英語しか使っていなかったので、とっさに出る感じになっていたみたい。帰宅してからも、家族と話していると日本語の中に英語が混じったりもして。キャンプの4日間だけでは、ちゃんとした文法で話せるような頭の構造にはならなかったんですが、思ったことをすぐに英語で返すという感覚が、少しは身につきました。それと、英語を話すこと自体に慣れましたね。だんだん開き直ってきて、恥ずかしいとか思うより、間違いがあったとしても伝わればいいんだと思えるようになって、それはすごく良かったです。
–キャンプでは悔しい思いもされたとか。
【永根】 そうなんです。ネイティブの先生たちは良い方ばかりで、もっと仲良くなりたかったのに、あまり話せなかったことが悔しかったんです。せっかくいろいろ話しかけてくれたのに、言葉を返せなかったのが申し訳なくて。プログラムがすべて終わった時には悔しい、寂しいと涙が出ました。実はキャンプに参加すると決めた時、きっと全然話せなくて落ち込んで、やる気が上がるだろうなと思っていたのですが、その通りになりました。最終日に、講師の方たちに英語で手紙を書いて渡しました。話しかけてくれたのに、全然話せなくてごめんなさい。勉強するから、もっと話せるようになるのを待っててくださいね、と。そう書いたからには、これから頑張ろうと思っています。
英会話、留学へ前進。
–キャンプに参加したことが、いろいろ動き出すきっかけになったようですね。
【永根】 はい。キャンプ後、やろうやろうと思ってずっとできなかったオンライン英会話を習い始めました。フィリピンの人と、毎日おしゃべりしています。1対1で話すなんて無理だと思っていたんですが、キャンプの後に申し込んだのは、英語を話すことに対する抵抗がなくなったおかげかなと思います。
–英語力をつけて、どんなことをしてみたいと考えていますか?
【永根】 外の世界を見てみたいと思っています。2年次には、留学も考えています。法学部の学生向けの留学制度があるので、それを利用してカナダのレスブリッジ大学へ行きたいなと思っています。留学したいという気持ちはもともとあったのですが、自分には無理かなと思っていたので、キャンプをそのステップにできればという考えもあったんです。英語を話すという私にとっての壁を乗り越えられれば、文法とかの勉強もやる気になるかなと。その目的は、キャンプで達成できました。私は、何か新しいことを始めても、どうせうまくいかないだろうから恥ずかしい、みたいに思っていたんです。誰でも最初は初心者だから、うまくいかなくても当たり前なのに。でも、大学に入ってから、なんでも本気でやれば、できないことはないなと思えるようになりました。だから、留学に行けたら…ではなく、行きます!
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