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05 2022

<TOPIC工学部社会環境工学科> 技術者として歩み出す準備は もう整っている。

社会環境工学科の教育プログラムは、北海道内の私立大学として唯一、「土木および土木関連分野」におけるJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けています。JABEE認定教育プログラムを修了すると、工学系技術者にとって最も権威ある国家資格「技術士」の第一次試験合格と同格の「技術士補」資格を自動的に取得できます。「技術士」は社会基盤に関わる分野で活躍していく上で重要視される資格のため、そこにつながる「技術士補」を卒業と同時に取得できることは、将来の可能性を広げ、就職活動でのアピール要素にも。和泉さん、赤代さんに話を聞きながら、所先生にJABEE認定教育プログラムについて教えてもらいました。 ※JABEE認定教育プログラムは令和4年度継続審査を受審します。認定が受けられなかった場合、このプログラムによる「技術士補」の資格は取得できません。

工学部社会環境工学科 准教授 所 哲也
工学部社会環境工学科4年 和泉 佑奈(北海道札幌西高校出身)
工学部社会環境工学科4年 赤代 陸(北海道札幌厚別高校出身)

卒業=「技術士補」取得。

–まず所先生に、「技術士」の資格のメリットを教えてほしいのですが。

【所】 技術士は、特に建設コンサルタントなどで仕事をしていく上では欠かせない資格です。一定数の有資格者がいなければ受注できない工事などもあり、企業としては資格を持った人材を望んでいます。ですから、技術士につながる技術士補の資格を取得していれば、将来的に技術士を目指すと企業側が捉えてくれるので、就職活動の際のアピール要素にもできます。また、技術職の公務員として活躍する上でも、専門性の証しとして関係企業などからの信頼度を高められるメリットがあります。本学科の場合は、卒業イコールJABEEに認定されているプログラムの修了ということになるので、自動的に技術士補の資格を取れます。技術士補を持っていれば、指導技術士のもとで4年間実務経験を積むと技術士第二次試験を受けることができ、合格すると技術士の資格が取得できます。

–2人は JABEEや資格について、入学する段階で知っていましたか?

【和泉】 大学の資料を取り寄せた時に、卒業すると同時に技術士補の資格がもらえると知りました。道内にはほかにも土木系の大学はありますが、同じ4年間大学に行くなら、そういうプラスアルファの仕組みがある方がお得感があるよねと父とも話して(笑)。父はほかの学部ですが北海学園大学のOBで、大学の雰囲気も分かっていたこともあって勧めてくれました。

【赤代】 僕の父もこの学科のOBで、技術士の資格を持っているんです。それで、将来的に技術士を取るならここで学んだ方がいいと勧められました。実は、目指していた公務員試験に失敗してしまい、進路を方向転換したのが高校3年生の11月頃でしたから、最初は専門学校にしようかとも思ったんです。でも、技術士の資格を取れば将来的にも安定するという話を父から聞いていたので、やっぱりこの学科へ進もうと決めて勉強漬けの毎日を送り、一般入試で合格できました。自分でもよく間に合ったなと思います(笑)。大学と専門学校では将来の道が全然違ってくるので、ここに入れて良かったです。

 和泉さん

–就職はどんなところに内定されましたか?

【和泉】 私は札幌市の土木の技術職に採用いただきました。民間の説明会も何社か参加してみたのですが、仕事内容などを聞いてみると、都市開発に携わりたいと考えている私には、やはり公務員の方がいいなという気持ちが強くなりました。それで、公務員一本に絞ることにしました。その前から公務員試験を受けることは決めていたので、学内の公務員講座などで準備はしていましたが、4年次からはより集中して取り組みました。公務員の中でも札幌市の職員を志望したのは、ライフル射撃部に所属して取り組んできた競技を、社会人になっても続けていくための環境を維持したいという理由もありました。

 【赤代】 僕は河川のコンサルタントとして調査や測量、設計などを行う一般企業に内定しました。釣りが趣味なので、水系の仕事に就きたいとずっと思っていて、就職活動では河川の分野の仕事をいろいろ探していきました。自然も好きなので、自然と河川環境を大事にしている企業がいいなと考えて何社かの説明会に参加し、希望がかなう内定先と出会えました。

–ちなみに、就職活動中に役立った大学の支援はどんなものがありましたか?

【和泉】 公務員講座も活用しましたが、特に役立ったと感じたのは縦のつながりの強さです。公務員のOB·OGがたくさんいるので、公務員試験を受験するにあたってさまざまなアドバイスをいただくことができました。例えば、所属している研究室の先生経由で公務員の先輩を紹介していただいて、どんなテキストを使ってどんなふうに勉強していたかを直接教えていただいたこともありました。キャリア支援センターでも、公務員試験に合格した先輩の経験談を聞く機会が用意されているので、そういう時に参加して先輩と連絡先を交換したり、勉強の仕方を教えてもらったりすることができ、縦のつながりがあるのは心強いと思いました。

赤代さん

【赤代】 学内で開催される合同企業説明会に参加して、一度に何社もの企業から直接、業務内容や経営方針などを詳しく聞けたのが役に立ちました。さまざまな企業に話を聞く中で自分の希望や優先したいことを絞り込めたので、それをもとにその後の就職活動に取り組んで内定先と出会うことができました。就職活動中には、北海学園大学というブランドも実感しました。面接を受けた時には大学に対する信頼感が伝わってきましたし、説明会に参加した時にも「学園の方ですか」と向こうから話しかけてくれて、名刺を渡してくれたこともありました。いろいろな企業で多くのOB・OGが活躍しているので、それがブランドにつながっているんだろうなと思います。就職の選択肢を広げることができましたし、専門学校ではなく、ここに進学して正解だったなと改めて感じます。

学び続けてほしいから。

–仕事を始めると、民間企業では特に「技術士」の資格が重要になるようですね。

【赤代】 卒業と同時に技術士補の資格は得られるので、次は技術士の資格を取得することが、仕事をしていく上での一つの目標になります。内定先からも技術士を期待されていますし、僕としても資格手当が付いて給料に反映するなどのメリットがあります。それに、大きな仕事も任せてもらえる立場になれますから、やりがいも増すはずだと思っています。技術士にもいろいろな専門分野があるので、僕は河川に関する分野を目指していくことになりますが、ほかにも業務のために求められる資格がたくさんあると聞いています。社会人になっても勉強し続けることが必要だと、覚悟を決めています。

–公務員としての立場では、資格のメリットはどんなところでしょう?

【和泉】 私が仕事をすることになる土木系の分野だと、コンサルタント会社の方たちと接することが多くなってきます。技術士の資格を持っていると、この人は分かっているなというふうに相手が捉えてくれるようですから、仕事のしやすさなどに影響するかなと思っています。特に、この分野は今も女性が少ないので、女性で資格を持っているということになれば、相手の見方が変わるかなとも思います。ですから、技術士補のままではなく、ゆくゆくは業務に関連する分野の技術士の資格を取りたいなと考えています。

所先生

–所先生は、「技術士」についてどうお考えですか?

【所】 赤代さんは就職後、絶対に技術士の資格が必要になってくると思いますので、ぜひとも取得してほしいです。もちろん和泉さんにも、取ってほしいなと思います。公務員として名刺のやり取りをする時に、「技術士」と記されているかどうかで、企業の担当者の対応が変わってくることがやはりあるんですよね。技術士の資格があれば、意見や考えを聞き入れてもらいやすくなるはずなので、ぜひ取得して、もの言う公務員になってほしい(笑)。さらに言えば、土木分野なら土木学会や地盤工学会などいろいろな学会がありますが、そういうところにも「官」の立場で積極的に参加してほしい。例えば札幌市を良くしよう、北海道を良くしようという時には、やはり産官学は対等に話をしなければならないと思うので、そのためにも勉強をし続けてほしいと思います。

合格率10数%の難関の技術士資格(建設部門)を卒業生は毎年、着実に取得

–技術者には、常に学んでいく姿勢が必要なのですね。

【所】  そう思います。JABEE認定教育プログラムは、学生からすると技術士補の資格をもらえるということなんでしょうけれど、我々の観点からすると、教育体制を盤石にするという目的がもともとはあるんです。そして、技術士補を取った後に、技術士を目指して継続的に勉強していってほしいというメッセージでもあるんです。北海学園は卒業生がたくさんいることが大きな強みですから、「官」に行っても、「民」に行っても、それぞれ困った時には大学に戻って来てくれれば、我々も含めたつながりの中で助け合えることがあると思います。卒業後も、学ぶことを常に追い求めていってほしいですね。

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