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28 2023

<TOPIC工学部社会環境工学科> 社会に出ると価値が分かる。 「技術士」へのアドバンテージ。

社会環境工学科の教育プログラムは、北海道内の私立大学として唯一、「土木および土木関連分野」におけるJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けています。JABEE認定教育プログラムを修了すると、工学系技術者にとって最も権威ある国家資格「技術士」の第一次試験合格と同格の「技術士補」を自動的に取得できます。本学科の場合、所定の単位を修得して卒業要件を満たせばJABEE認定教育プログラムの修了になるため、卒業と同時に「技術士補」資格が取得できることから、就職活動のアピール要素になるほか、将来的に技術者としての可能性を広げやすくなります。公務員、民間企業に就職が内定している学生3人に話を聞きながら、所先生にJABEE認定教育プログラムのメリットなどを解説してもらいました。  ※JABEE認定教育プログラムは令和5年度継続審査を受審します。認定が受けられなかった場合、このプログラムによる「技術士補」の資格は取得できません。

工学部社会環境工学科 准教授 所 哲也

工学部社会環境工学科4年 佐々木 裕亮 (北海道函館中部高校出身)

工学部社会環境工学科4年 田中 龍星 (札幌日本大学高校出身)

工学部社会環境工学科4年 奥田 智也 (北海道岩見沢農業高校出身)

メリットを生かし「技術士」に挑戦を!

–「JABEE認定教育プログラム」については、入学前から知っていましたか?

【佐々木】 僕は、大学に入ってから知りました。JABEE認定のプログラムだと、卒業と同時に技術士補の資格が取れるし、技術者として仕事をしていく上でのメリットにもつながっていくということが分かり、在学中に学んだ成果を生かせるのはいいなと思いました。ですから、今学んでいることが自分の将来に活用できるのだという思いも持って、授業に取り組めました。

【田中】 僕も、高校の時はJABEEと聞いてもよく分かっていなかったというのが、正直なところです。大学に入ってから内容を知って、就職活動で役立つことが大きいと感じました。僕は札幌市職員に採用が決まりましたが、それまでに民間企業も受けていました。技術士の資格は、民間では特に必要とされますし、JABEE認定教育プログラムの大学に通っていることを好意的に捉えていただけた印象がありました。それに、技術士補の資格を持っていることは自分の自信にもつながるので、そこが大きなメリットだなと感じます。

【奥田】 高校の土木科で学んでいた段階から、JABEE認定教育プログラムとそのメリットについては分かっていました。そもそもこの学科に進学しようと思ったのは、高校で土木を学んだことで、もっと高度な知識を身につけたくなったことと、JABEE認定を受けているため卒業と同時に技術士補の資格を取れるということも理由でした。仕事をしていく上で技術士の資格は重要だと分かっていたので、技術士補を確実に取れるメリットは大きいと思いました。入学前は就職の方向性を詳しく決めてはいなかったのですが、建設コンサルタント会社に興味がありましたから、コンサルでは絶対に必要な資格だし、公務員になるにしても、技術士の資格があることが名刺に書かれていれば強みになると考えていました。

–それぞれの就職の内定先を教えていただけますか?

【奥田】 僕は、道内のゼネコンに内定をいただいています。これまで、ゼネコンには技術士の資格はあまり必要ないと言われていましたが、技術者として持っているに越したことはないと思いますから、JABEE認定の学科を卒業するメリットを生かして、将来的には技術士の資格を取りたいと思っています。

【佐々木】 北海道職員の技術職に採用いただきました。民間の会社の方たちと仕事をしていく機会が多くなるはずなので、この学科で学んだことを生かして、いろいろなやり取りを円滑に進めていければと思っています。自分も技術者として、意見を言えるようになりたいとも考えています。

【田中】 就職活動にあたっては、民間だけ、公務員だけということではなく、幅広く見ながらどちらも目指してみようと取り組んでいました。最終的には、札幌市の土木の技術職として仕事をしていくことにしました。

所先生

 –所先生は、JABEE認定教育プログラムで学んだことをそれぞれどう生かしてほしいとお考えですか?

【所】 本学科はJABEE認定教育プログラムを展開しているわけですから、卒業後にどの分野に行っても技術士の資格をぜひ取得してほしいと思っています。日本技術士会の方を講師に招き、授業の中で講演をしていただく機会などもつくって、技術士についての理解も深めてもらっています。
技術士の資格は、特に建設コンサルタント会社で求められます。コンサルでは持っていないと一人前として認められないですし、大きな案件を任せてもらえないので、絶対条件ともいえます。ゼネコンや公務員にはあまり強く求められてはこなかったのですが、当然、取得している人もいます。それに、今のゼネコンは技術提案のような形のプロポーザル方式で仕事を受注することがあるので、技術士の資格を持っていると強みにもなる。そもそも常に技術を勉強していかなければ新しいものを提案できないので、今は地方のゼネコンでも技術士の資格が必要とされていますし、その傾向は強まっていくと思います。民間の場合は、資格を取得すると給料や手当などに反映されることも多いんですよ。一方、発注側の公務員も、税金を使ってインフラ整備をしていくわけですから、提案が良いか悪いかを技術者として正しく判断できなければなりません。そのためには、公務員も技術士の資格を取って、企業の担当者と対等に話せるようにしていくことが必要だと思います。

–「技術士」資格の勉強を一から始めて取得するのは、難関のようですね。

【所】 そもそもかなり難しい試験ですし、JABEE認定教育プログラムを修了していると第一次試験は免除されますが、働きながら第一次試験合格を目指すというのは、勉強時間も取れないのでかなり苦労すると聞きます。このプログラムについては、在学中も卒業する段階でも、ありがたさをあまり感じないかもしれませんが、社会に出ていざ資格を取ろうとした時、もしくはJABEEプログラムを取っていない同僚と話をした時、「ああ良かった」と実感するはず。恩恵は、ものすごく大きいと思います。

学園大だから、の強みがある。

佐々木さん

–「技術士」資格について、今はどのように考えていますか?

【佐々木】 2年生ぐらいから工学の専門的な話を聞く機会が増えて、JABEEがいかに将来の自分の仕事に生かせるかを感じていました。技術士というレベルの高い国家資格を自分のものにできるチャンスが大きいわけですし、資格があれば給料が上がったり、受けられる仕事が増えたりするので企業の需要も高いと知りました。ですから、技術士の資格を持っていれば、もし自分が公務員以外の仕事をすることになったとしても活用できるので、やはり取得しておきたいと思います。一から勉強すると思うと厳しいですが、第一次試験免除というメリットがあることで、もう少し頑張ってみようと思えます。JABEE認定の大学に来て良かったなと、改めて思っています。

田中さん

【田中】 僕も、せっかく人よりアドバンテージがあるのだから、それを生かして資格を取得したいなと思っています。春から社会人とはいえ、今はまだ何をするかよく分かっていない状態ですが、働く限りはちゃんと働きたいですし、人より上に立てるように頑張りたい。そのためにも、技術士の資格を目指したいです。

奥田さん

【奥田】 所先生の話を聞いて改めて、技術士の資格は絶対に取った方がいいと思いました。内定先はゼネコンで仕事も忙しいと思うので、第一次試験免除のメリットはとても大きいです。今回のJABEE認定教育プログラムについての話はめっちゃ貴重で、高校生にもどんどん発信して知ってもらうと、進学先を選ぶ時に違ってくると思います。

–所先生は、学生たちに社会に出てからどう仕事と向き合ってほしいですか?

【所】 大学で学ぶのはあくまでも基礎なので、働いてからギャップを感じたりすることもあると思います。特に、民間では情報通信技術などを積極的に取り入れているので、戸惑うこともあると思いますが、そうした技術の基礎には大学で学んだことが必ず入ってきます。その上で、土木以外の分野も含めた最先端の技術をさらに勉強して取り入れていかなければなりません。

今は技術の転換時期に入っていて、国が提唱する建設DXなどを取り入れていけない企業は、たぶん淘汰されてしまうでしょう。その時代に合った技術をチェックし、どう取り入れていくかを判断できるようになるには、やはり常に勉強するしかありません。そうした勉強の一つのきっかけとして、技術士の資格を取るのもいいのではと思います。技術士を取得後は、継続的に自己研さんをして最新の知識·技術を学んでいく公的な仕組みがあるので、自ずと勉強の機会も増えます。

–このプログラムのほかに、技術者として活躍していく上での本学科の強みは?

【所】 本学の前身の北海短期大学に土木科ができたのが1962年。それが、本学科の起源です。それより前の時代にも土木を教える組織が本法人の中にあり、北海道を開発するにあたって技術者が足りないという社会の要望に応える形で養成が始まっています。それだけ本学の土木分野には伝統があり、寒冷地という特殊な環境に対応する技術者を養成する大きな役割を担っています。当然、卒業生の人数は多いですし、特に北海道での卒業生のネットワークは大きな強みといえます。

世の中に出ていくと、同窓のつながりというのはとても大きいものがあるので、そのありがたみを感じる機会は多いと思います。3人とも北海道で技術者として仕事をしていく中で、きっと感じることがあるはずです。そして何より、JABEE認定教育プログラムという強みがある学科で学んだわけですから、技術士の資格は絶対に取った方がいい。JABEE認定教育プログラムを修了していることは、いざという時の武器になるし、自信にもつながると思います。

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