ひとつひとつの積み重ねが 将来を形作った。
藤井さんが生命工学科を志望したのは、興味のあるバイオ系も情報系も学べることが理由でした。学びはもちろん、毎日の大学生活を通して積み重ねた努力や新しい挑戦のひとつひとつが成長につながり、漠然としていた将来がはっきりと見えてきました。
バイオも情報も。
高校時代は生物の授業に興味があり、生き物が好きで生物部にも所属。さらに、情報の授業も楽しかったので、バイオ系と情報系のどちらの内容も学べる生命工学科を志望しました。2分野を同時に学べるため、在学中に進路の選択肢を広げていけるメリットがあることも魅力でした。
生命工学科は、自分で手を動かしながら体験を通して学ぶ実習系の授業が充実しています。バイオテクノロジー実習などのバイオ系の実習は、光学顕微鏡などの本格的な実験機器を使ったり、DNAを取り扱ったり。高校までの実験の授業も面白かったので楽しみにしていたのですが、レベルがまったく違っていて驚きました。繊細な実験内容のため、機器の扱い方や手順を間違えないようにという緊張感もありました。毎回、データや操作手順などを実験ノートにしっかり記録し、最終的にレポートをまとめて提出。実験そのものも先端技術を経験できてとても興味深かったですし、レポート作成を通して自分の考えをまとめる力もつけられたと思います。
情報系ではプログラミング実習などがあり、簡単なゲームのアプリケーション開発などに取り組みます。実は、高校まではパソコンを使う機会が少なく、興味はあったものの情報系の勉強に付いていけるか最初はすごく心配でした。ですから、情報系の授業や実習は特に力を入れて頑張りました。そうするうちに、知識や技術が徐々に身についていったようで、当たり前ですけれど授業に真面目に取り組むことの大切さを感じました。ちゃんと授業を受けていれば大丈夫、と後輩の皆さんにも言いたいです(笑)。
成長のための4年間。
入学時、就職に対する具体的なイメージはなかったのですが、大学で学んだ情報系の基礎を生かせるシステムエンジニアの道を選びました。志望したきっかけは、大学のプログラムで参加したIT系のインターンシップ。就職活動の進め方も分からなかった3年次の夏に参加し、IT系の分野で仕事をしてみたいという方向性が定まりました。エントリーシートの添削など、キャリア支援センターのサポートにも助けられ、4年次の4月末に内定。終わってみれば早い段階で決められたのは、行きたい業界を早くに絞って準備したため、一貫性を持って取り組めたことが大きいのかなと思います。周りの友人に合わせるのではなく、早め早めの行動も心がけました。
また、今までと同じようにしていたら何も変わらないと思い、大学入学を機に、友人関係やサークル活動などでもできるだけ自分から行動してみるようにしました。その結果、いろいろな人とのつながりができたし、何より大学生活が楽しくなりました。授業でもさまざまな課題等に積極的に取り組んでいくことにより、知識や技術のほかに自分の考えをまとめたり、プレゼンテーションしたりする力もついてきたと実感しています。振り返ると、そうした4年間のすべてが、就職につながったのだなと思います。
4年次は、長谷川大先生のもとで卒業研究に専念しています。情報系であれば各自の希望をテーマにできる自由度の高い研究室で、僕は植物の中に流れている生体電位を増幅して何かに使えないかという先輩の研究をヒントに、植物のインターフェース化をテーマにしています。植物の葉を触ると入力されるようにして、ゲームのコントローラーにできないかと実験中。情報系にもバイオ系にも関わる研究でとても面白いのですが、なかなか思うように進まない難しさもあります。それだけに、自分が考えた装置やプログラムで試行錯誤しながら、何か一つできた時の達成感はとても大きいです。
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