03
28 2023

<TOPIC経営学部> 英語とビジネスのリアルな体験が 強い向上心を生んだ。

ビジネスのグローバル化が進む中、経営学部は英語力の強化を学びの柱の一つとしています。2年次以上を対象に開講する「海外総合実習」は、英語力の育成はもちろん、経営学の専門知識の涵養、実務的なコミュニケーション能力の習得も目指したプログラムです。コロナ禍のため3年ぶりの開講となった2022年度は、英語や企業分析などに関する講義・実習・課題を通じて準備を行った上で、8月末から約3週間、ハワイに滞在。参加した9人は3人ずつ1家庭にホームステイし、ハワイ大学マノア校での語学プログラムを受講したほか、JTBハワイを訪問して英語によるプレゼンテーションも実施しました。英語とビジネスの実体験を積んだことによって、参加学生たちはさまざまな学びを得たようです。今回はその中から3人に、プログラムを振り返ってもらいました。

経営学部1部経営情報学科3年 小関 みなみ (札幌第一高校出身)

経営学部1部経営学科2年 大川 陽聖 (市立札幌清田高校出身)

経営学部1部経営学科2年 田内 杏樹 (北海高校出身)

気がつくと、英語で話すことが楽しい!

–「海外総合実習」に参加しようと思った理由を教えてください。

【小関】 経営学部に入学が決まってこの実習を知った時から、参加したいと思っていました。大学生のうちに海外へ行って、英語に触れる経験をしてみたかったので、楽しみにしていたのですが、昨年はコロナ禍で中止になってしまって。今年は再開されると知り、ぜひ参加したいと思いました。

【大川】 入学前に学園大のパンフレットなどで海外総合実習があるのを知ったことも、経営学部を選んだ理由の一つでした。普通の語学留学と違って、企業訪問などで経営の勉強を同時にできる機会はあまりないのではと思ったんです。僕は高校時代にも短期の留学経験があって、海外は魅力的だなと感じていました。自分の中の普通が壊されるというか、日本では味わえない空気感みたいなのがすごく好きで、大学でもぜひ留学したいと考えていました。

【田内】 私は英語に興味があって、高校時代から留学にも憧れていました。高校にも留学制度はあったのですが、コロナの影響で行けなかったので、今回ようやく行ける機会ができてうれしかったです。

左から田内さん、小関さん、大川さん

–ホームステイ中は、どんなことが印象に残っていますか?

【田内】 初めての海外で不安もありましたが、ホームステイ先のご夫婦がすごく優しい方たちで、何を言っているのか分からない時には分かるまで教えてくれて、思っていたより会話ができました。一緒に暮らした実習メンバーの2人ともすぐ仲良くなれて、毎日楽しかったですし、何より心強かったです。

【小関】 私も初めての経験でしたし、緊張するんだろうなと行く前は思っていました。でも、ホストファミリーの方たちがすごく気さくで、むしろ夕食の時などにみんなでおしゃべりするのが楽しかったです。よく聞き取れなかったり、不安に思うことがあっても、一緒に住んでいた仲間3人で共有でき、リラックスして過ごせました。

【大川】 僕たちが滞在していた家には、ホストファミリーのほかに、カナダと日本からの留学生もいました。途中で日本人留学生が帰国し、入れ替わりにベトナム人留学生が来たので、家の中にいながらいろいろな国の価値観に触れられたのはラッキーでした。食事の時間などに文化や生活の違いなどを話せて、すごく楽しかったです。

–ハワイ大学での授業や生活はいかがでしたか?

【小関】 私たちが参加したのは英語を学ぶためのプログラムで、ほかの学生もみんな日本人でしたから、最初は日本で勉強するのとあまり変わらないかもと思っていました。でも、授業中も休憩時間も基本的に英語で話すことになっていて、もちろん先生もネイティブの方ですから、とにかく英語を使わなければならない環境にあったことで成長につながったかなと思います。授業の一環で、キャンパス内で学生に専攻やお気に入りの店などを聞きに行く機会もあり、実際に交流できたのはすごく楽しかったです。優しい方が多くて、こちらの質問をくみ取ってくれましたが、ちゃんと伝えるにはもっと正確に話す練習をしなければとも実感しました。ただ、それでも英語で話すのが楽しいと思えました

【田内】 これまでは、ひたすら覚えるとかノートに書くとかいう英語の勉強法をしてきましたが、ハワイでの授業はとにかくしゃべるという印象でした。ずっとペアワークみたいな感じだったのがすごく新鮮で、今までとは全然違う学び方でした。クラスにいたほかの大学の学生はみんな年上で、日本語なら敬語を使わなければと考えるところでしたが、英語で話す時は気にしなくて良いので、その分、早く親しくなれたと感じました。最初は緊張していたのに、毎日しゃべっていると慣れてきて、英語を話すこと自体は緊張しなくなりました。

【大川】 僕が特に印象に残っているのは、アクティビティの授業。ハワイの歴史や文化を学べる資料館へ行って、担当者から英語で説明を聞きながら館内を巡ったのが、すごく勉強になりました。しかも、現地でプレゼンすることになっていた内容にハワイの文化に関わるものがあったので、自分が話す時の参考にもなりました。

 –北海道の観光について、プレゼンテーションを行ったそうですね。

【大川】 はい。でも、初めの段階では、自分たちが何を伝えればいいのかもよく理解できていませんでした。プログラムの一環として協力してくださったJTB北海道で企業訪問を行い、業務内容や北海道の観光の特徴などを聞いてプレゼン資料を作っていきましたが、そこで先生に、「それでは“JTB北海道の人”だよ」と言われたんです。学んだことをそのままハワイでプレゼンするのではなく、自分たち目線に落とし込むようアドバイスをいただいて、僕たちには何ができるのかと考えるようになりました。それで、アイヌ文化について取り入れることにし、ハワイの文化とも比較しながら、テーマごとに担当を決めて準備を進めました。

【田内】 私は、アイヌ文化を紹介するにあたっての前提となる環境問題について担当しました。経営学部では文化や自然環境に関する学びの機会があまりないので、新たな分野を調べたり考えたりするきっかけにもなりました。

【小関】 私が担当したのは、JTB北海道から学んだことや北海道の観光における魅力などについて。北海道に住んでいるのだから、魅力も分かっていると思っていましたが、観光のプロの方や北海道に来る外国人とは目線や感じる魅力が違うことが分かりました。また、北海道とハワイは観光の魅力として似ているところも多いので、もっと北海道をアピールできるようにハワイの事例と照らし合わせて考えました。

—JTBハワイでのプレゼン時の感触はいかがでしたか?

【小関】 堅苦しくない雰囲気で接してくださったので、思っていたより緊張せずにできたかなと思います。英語でプレゼンしたのは初めてでしたが、原稿を読んでいる感じにならないように、自分らしく伝えることを意識しました。帰国後、大学の授業でプレゼンをした時には、ハワイでの学びや反省を生かすことができました。

【大川】 最低限のゴールというか、自分たちの意見を伝えるという点ではすごく良かったと思います。ただ、プレゼン後の質疑応答では、質問に対して自分たちの意見をうまく返すことができなくて。そこは甘かったのかなと思います。でも、100%やり切ったという気持ちで終わらなかったからこそ、次につながるのではと個人的には思っています。

【田内】 すごく聞き入ってくれているのが伝わってきて、全体の内容とか、一人ひとりの話とかは成功だったんじゃないかと思います。でも、私自身はすごく緊張してしまって、悔しさは残っています。プレゼン自体もまだそんなに経験がなかったので、これから積極的に機会を増やして、慣れていきたいと思っています。

JTBハワイでプレゼンを行ったメンバー
北海道の魅力をまとめたプレゼン資料

経験は毎日の意識を変えるきっかけに。

–今回の経験が、自分にプラスになったと感じるのはどんなところですか?

【小関】 プレゼン資料を作るために一つのことを調べていても、いろいろな立場や方向からの視点が出てくるので、それを踏まえて自分がどう考えるかが大事だと気づきました。これは、これからの就職活動にも役立つと思っています。英語力に関しては、話す機会がとにかく多かったので、自然に言葉が出てくるように鍛えられたなと思います。今回の経験を通して、思い切って自分から話したり、動いていくことの大切さを学びましたし、メンバーを身近で見ていて、自分も見習いたいと思うこともたくさんありました。

【大川】 僕が一番プラスになったと思うのは、人と率直に対話する大切さを知ったことです。プレゼンの準備では、それぞれの考えを突き詰めて話し合うことが多かったですし、ハワイに行ってからも、あなたの考えは何ですかと聞かれることが多くて。その時に、「自分」を出さないのは進展がないし、もったいないと思ったんです。自分から話すと変わることってあるんだなと気づいたので、これからも心がけたいです。英語の面では、言葉がすっと出てくるようになったと思います。ハワイで知り合った友達にドライブに連れて行ってもらった時、意識せずに会話ができていることに気付いて、成長を実感しました。

【田内】 ホームステイ先の家族や大学、ハワイの環境から学ぶことも多かったんですが、一緒に参加したほかの8人から、いい影響をいっぱい受けたと感じています。みんな私よりも英語が上手で、こういう時はこう返したらいいんだなと、日常生活の中でも学ぶことができました。トラブルがあっても助け合ったり、私が困った時には助けてくれたり、メンバーを見ていて私もこういう行動ができたらいいなと思うことが多かったです。行動力というか、自分から動くことがすごく大事だなと思いました。

–経験を踏まえて、これからどんな目標を持っていますか?

【小関】 この海外総合実習は、私にとっていろいろな面においては貴重な機会になったので、学んだことや感覚を忘れず、それらを最大限生かすことをこれからの目標にしたいです。

【大川】 人と真剣に会話をして、自分の考えを伝えるのは大切なことだと痛感しました。僕がそれを心がけていくだけでなく、ほかの人にも経験をしてほしいと思って、学生と社会人が将来や仕事などについて話し合う活動の北海道代表を先輩から引き継ぎました。グループディスカッションなどを運営していますが、初参加の大学1、2年生は大人と話すことに慣れていなかったり、学生同士ですら将来のことを真剣に話したことがないという人が多くて。僕が経験したように、人と対話することの大切さに気づいてもらえたらと思っています。

【田内】 英語を学ぶには話す、聞く、読む、書くのバランスをとることが大事だなと思ったので、それを踏まえて、もっと英語力を高めたいと思っています。また、気づいたら行動するとか、言いたいことは言うとか、日本にいる時にはなかなかできなかったことが海外の文化にふれながら生活することによって自然とできるようになっていたので、その感覚を忘れずに積極的に活動していきたいと思っています。大学生のうちに、ほかの国にもぜひ行ってみたいですね。

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