03
28 2023

<TOPIC工学部生命工学科> 評価ツールを活用して プログラムのスキルと意欲をサポート。

生命工学科は、「生命科学」「情報工学」の2分野の知識とスキルを身につけられることが大きな特徴です。2022年度は、情報工学分野の学びをよりスムーズにするための取り組みの一つとして、3年次に行う「プログラミング実習Ⅱ」にプログラム自動評価ツール(GitHub Campus Program)を導入しました。このツールを活用することによって、実習中に提出したプログラムが自動的に採点され、即座にフィードバックが可能に。作成したプログラムが指示通りにできているのかが「見える化」されるため、学生それぞれがプログラミングのスキルを確実に身につけていく上で役立てられます。本学科に入学して初めてプログラミングを学んだという学生3人に、実習についての感想などを聞きました。   ※2022年度入学生からスタートしている新カリキュラムでは、「プログラミング実習Ⅱ」は「プログラミング演習Ⅰ」として2年次2学期に開講します。

工学部生命工学科3年 井野 美紗希 (北海道北広島高校出身)

工学部生命工学科3年 小林 陽香 (北海道旭川南高校出身)

工学部生命工学科3年 渡部 瑞葵 (札幌日本大学高校出身)

努力を重ねてステップアップ。

–初めに、生命工学科に進学した理由を教えてください。

【井野】 高校の科目では生物が好きだったので、生物が学べる大学がいいなと思って探していました。この学科は、それにプラスして情報分野も勉強できるところに興味を持ちました。情報系には自信がなかったからこそ、情報化社会の今は学んでおかなければという気持ちが根底にありました。

【小林】 高校時代の生物の授業で、遺伝子や細胞について詳しく勉強する機会があり、その分野を学べるのが面白そうだなと思ってこの学科を選びました。高校でも情報の授業はあったのですが、本当に苦手で。でも私が大学に入学したのは、もっと知識をつけたいというのが目的でしたから、苦手な情報系をあえて学んで、スキルを身につけようと思いました。

【渡部】 私も、理由は2人とほとんど同じです。高校では生物が一番得意な科目だったので、生物について学びたいと思ったこと。それに、情報関係の分野にも興味は持っていたので、どちらも勉強ができるのはいいなと思ったことで、この学科を選びました。

–「プログラミング実習」はⅠ(2年次)でC言語、Ⅱ(3年次)でJavaを学んでいくのですね。

【小林】 プログラミングに初めて取り組んだのが「プログラミング実習Ⅰ」で、まったく知らない状態からC言語を学んでいったので、やはりその時は大変でした。覚えることがいっぱいあったし、自分の頭を使って考えないとできなくて。でも、答えは1個と決まっているわけではなく、自分の考えで進めていけば良かったので、そんなに苦ではありませんでした。むしろC言語に慣れていたので、Javaを学ぶことになった時は考え方を切り替えるのが大変で、最初はちょっと苦戦しました。

【渡部】 C言語は学んでいくうちにやりがいを感じられて、知識がついた気はしていました。ジャンケンゲームや文字当てゲームなどの課題が完成すると、達成感もありました。Javaに移った時には、それまでの知識も確かに必要だったのですが、実際に使ってみると、あれ?みたいなことがあって(笑)。でも、共通する部分もあるので、まったく違うということではなかったと思います。

左から井野さん、渡部さん、小林さん

【井野】 私は、C言語とJavaでそんなに違いを感じませんでした。C言語を習い始めたばかりの頃は大変だなと思っていましたが、その時に頑張ってやっていたことで、Javaを学ぶようになった時は、C言語で身につけたことの形が変わっただけかなというふうに捉えられました。2年生からの積み重ねが、ようやく生きてきたなと感じられる場面でもありました。ただ、自分では2年生の時点でプログラミングが苦手だなと認識したので、3年生になってからはあえて1番前の席を取って、いつでも先生に聞きやすいようにして実習に臨んでいました。

【小林】 その日に取り組む課題について説明を聞いた後、自分たちでパソコンに向かって実習を始めると、担当として付いてくれる先生4人が学生の間を回ってくれます。分からないところがあったら手を挙げると、先生が来てくれるんですが、私たちは始まった瞬間に手を挙げたり(笑)。

【井野】 割としっかり予習していたんですよね、私たちは。予習用の動画が在学生専用の学習管理システムに上がっていて、その日の実習の内容や基礎知識みたいなことが分かるようになっているんですが、いざ課題に取り組むとなると、予習で得た知識の使い方が分からなくて先生にすぐに聞いたこともありました。

【渡部】 まったく分からない状態で質問するということもありましたけれど、どちらかというと、予習をしておいて、どうしても解けないところを実習中に先生に教えてもらうという感じでした。予習のための教材も準備してくれていますから、活用して予習しておくと自分の勉強になるのはもちろん、やる気を先生たちが見ていてくれるなと感じました。

–3年次からプログラム自動評価のツールが導入されて、どんなところが便利になりましたか?

【渡部】 その日に出されたプログラミングの課題を、実習時間内に終わらせるようにそれぞれが進めていくのですが、以前は課題ができ上がった段階で先生を呼んで確認してもらっていました。それが、自分のタイミングでツール上に課題を提出するだけで、合っているか間違っているかがすぐに分かるようになりました。対応が速くなったし、間違いがあれば自分で確認して理解できるところが便利になったなと思います。

【小林】 提出すると自動的に採点されて、点数が分かるのもいいと思います。課題が指示通りにできているか動作テストの結果で確認でき、今回の課題は点数をきちんと取れているなというのを自分の目で見られるので、安心感も得られます。

【井野】 私も、自分で確認できるところが一番いいなと思います。課題を提出すると、画面上に説明文も書いてあるので、そこの意図を読み取ったりすることで解ける問題もありました。ツール自体も、使いやすかったなと思います。

【渡部】 先生から使い方を教わっていましたし、使いにくいなとか難しいなと思ったことはなかったですね。

【小林】 そうですね。最初に、必要な操作を教えてもらっていたので特に苦労はしませんでしたし、便利だなという印象です。

【井野】 実習時間内に終わらせるのが目標でしたが、課題によっては終わらないものもありました。その場合は持ち帰って完成させ、ツールを使って自宅から課題を提出できるので、そういうところも便利だなと思います。

興味が深まり、気づけばIT系も視野に。

–学んでいく中で、プログラミングについての印象は変わりましたか?

【井野】 初めの頃は、情報は自分とは縁のない世界というイメージでした(笑)。でも、プログラミング実習に取り組んでいくうちに課題がどんどんできるようになって、少し自信がついたというか。これから就職活動を本格化させるにあたって、以前ならまったく考えられなかったIT系も視野に入れられるようになりました。

【渡部】 やればやるほど、違う課題や難しさが見えてくるものだと思います。それでも、先生に教えてもらったり、周りの友達に聞いたりしながらやっていくと、ちゃんとできるようになっていくんだなと感じました。先生が良いところを見つけてくれて、できているから大丈夫と励ましながらサポートしてくれるので、プログラミングが面白いと思えることも。そこは、最初の頃とは変わったところです。

【小林】 プログラミング自体は、まだあまり得意ではないと思っていますが、プログラミングに必要な「物事を順序立てて考えていく」という点は、ほかの分野でも生かせるのではと思っています。先生たちに質問をすると、分からないところにプラスアルファしたぐらいのところまで教えてくれます。私たちが頑張っているところを見てくれていて、そこも評価してくれるのが励みになっています。

–情報系の学びについて心配がある高校生に、先輩としてアドバイスするなら?

【渡部】 絶対に大丈夫としか言えない(笑)。先生に何回聞いても教えてくれますし、もし授業内で聞けなければメールでも対応してくれます。私たちの理解度を見て、授業とは別に教えてくれる機会を設けてくれることもあります。ですから、やる気さえあれば大丈夫。それぞれの学生を先生たちがよく見ていて、助けてくれます。

【小林】 私も、心配はいらないと思います。高校の情報科目は本当にできなかった私ができているから(笑)。この学科の先生は、学生と同じ目線に立って、一人ひとりに合わせて接してくれます。距離が近いのですごく聞きやすいし、分かりやすい。分からなかったら聞けば教えてくれるので、聞くことを恥とは思わずどんどん聞いた方がいいと思います。そこで恥ずかしいと思うと、後々後悔することになってしまうので。

【井野】 情報が苦手だったので、とにかく付いていかなきゃと毎回一生懸命だった私でも、課題をこなせるぐらいに成長できました。1回1回の授業にきちんと向き合っていれば、先生たちもサポートしてくれますし、友達と教え合ったりしながら楽しく取り組んでいけるので、心配しなくてもいいんじゃないかと思います。

–最後に、この学科の良さはどんなところだと感じていますか?

【渡部】 生物と情報を学べる学科は、そうそうないと思います。そこは一つの利点で、生物の知識も、情報の知識もつけられるので、視野を広げることができます。それによって、就職活動の選択肢も増やせるのではないかと思います。

【小林】 私も学びの面であれば、2つの分野があることで視野が広がるのが良さだと思います。ほかの面では、すごくいい先生ばかりということ。どの先生も学生一人ひとりと向き合って、よく話を聞いてくれますし、親身に考えてくれていると感じます。

【井野】 例えばバイオテクノロジー実習では、情報分野の知識やスキルを使って解析をしたり、生物と情報の両方を使って学ぶこともあります。ですから、生物が好きだという人なら生物により詳しくなれますし、情報系についても興味を持ったり好きになったりするきっかけを持てると思います。

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