中国で2週間の語学研修。 言葉を超えたコミュニケーションで 心が通じ合うことを体験しました。
北海道職員に就職が内定した井手さん。二次試験から合格発表までの期間を利用して、北京理工大学に留学しました。2週間の語学研修プログラムで、それまで学んできた中国語を試し、さらに磨きをかけることが目的です。期待と不安を胸に向かった北京では、現地の人と心の通ったコミュニケーションができたそう。一緒に留学した日本人同士でも絆が深まり、「人と関わることのあたたかさを実感しました」と話します。
日本で学んだ中国語を現地で試す機会に。
公務員試験の結果を待つ間に、中国の北京理工大学で2週間の語学研修プログラムに参加しました。第二外国語で中国語を選択したのをきっかけに、言葉だけでなく文化にも興味が湧き、実際に行ってみたくなりました。また現地に行くことで、さらに中国への理解が深まるのではないかと考えたのも留学を決意した理由です。
このプログラムには、さまざまな学部から11名が参加しました。現地では寮に滞在し、平日は毎日、大学で語学の授業に出席。放課後は友だちと一緒にショッピングモールに行ったり、食事をしたりして過ごしました。語学以外にも書道や切り絵の体験など、中国文化を学ぶ時間も。事前に中国語検定3級に合格し、独学で中国語会話も頑張っていたので、現地で自分の力を試すことも楽しみにしていました。ところが、地元の人には通じないことも多くて、ちょっと心が折れそうに。イントネーションの違いなど、細かな発音の仕方を肌で感じ、お手本にするよう心がけました。言葉が通じなかったことも含めて、リアルな中国語にふれられたのは、とてもいい経験になりました。
休日には、みんなで万里の長城など観光名所にも行きました。中国にある世界遺産やいろんな地方の特色などは、日本で下調べしておくともっと楽しさがふくらんだと思います。
日中関係の“百聞は一見にしかず”を体感
留学する前は、SNSやテレビのニュースを見て日本人は中国で歓迎されないのではないかと不安に思っていましたが、実際に現地に行ってみると、そんなことはぜんぜんありませんでした。どこに行っても、中国の方々が親切にしてくれて、日本人に興味を持って話しかけてくれました。帰国する直前、滞在中によくしてくれたタピオカ屋のおばさんに挨拶に行くと、とてもさみしがってくれて、自動翻訳機などを駆使していろんなことを話してくれました。帰りには、ミカンのお土産までいただいちゃって。私ももっと長くいたいと思いました。この留学を通して、世界の国々を実際に目で見て、現地の人とコミュニケーションを取ることの大切さを実感しました。噂に聞いていた中国人のイメージが、すべての人に当てはまるわけではなく、同じ国の中でも価値観はさまざまだということを身をもって知りました。
またこのプログラムに団長として参加したことで、後輩のサポートや先生とメンバーの橋渡しなど、今まであまり経験したことのないリーダーシップについても考えさせられる機会に。それまでは、今いる友人を大切にしていれば、新しい交友関係はそれほど必要ではないと考えていました。昔から知っている人たちといるほうが、居心地がいいと感じていたからです。でもこのプログラムで、学年や学部の垣根を越えて交友関係の輪が広がり、新しく人と出会うことの良さを実感できました。2週間という短い期間でしたが、貴重な経験がいっぱいできた留学。たくさんの人に体験してほしいと思います。
これから道職員として働くことになりますが、北海道と中国の架け橋やになるような仕事ができたらうれしいなと思います。
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