03
24 2023

<教員採用試験合格[中学校/理科]> 「理科は楽しい」。 そう感じてもらえる教員に。

工学部生命工学科4年 髙橋 由耶 北海道釧路湖陵高校出身

理科の楽しさ、面白さを知ってほしいという思いから、理科教員を目指した髙橋さん。教職課程を履修し、「できる準備はしっかり、間違いなくやっておこう」と万全の態勢を整えて教員採用試験へ。努力のかいあって中学校の教壇に立つことが決まり、楽しい授業をしたいと意欲を燃やしています。

大学にいるのは教員になるため。

中学生の頃、「理科離れ」の問題がよく聞かれるようになりました。自然豊かな場所で育ち、たくさんの生き物に触れてきたこともあって、私は幼い頃から理科が大好きでしたから、この言葉を聞いた時はむしろ驚きました。それで、理科の楽しさを子どもたちに伝えたい、理科が好きな子どもたちを増やしたいと考えるようになり、教員を志望。理科の教員免許を取得することができ、好きな生物に関することを一歩踏み込んで学べる生命工学科で、教員という目標に向かって4年間を過ごしました。
工学部生は2年次から、実験や研究の環境が整った山鼻キャンパスで学びます。豊平キャンパスで開講される教職課程の科目は1年次に履修を終わらせないと、山鼻キャンパスから通って受講するのは大変だとガイダンスで聞いていたので、1年次は2部の時間帯に開講される科目も履修しました。そうすると、朝から夜までずっと大学にいる日もあり、陸上競技部の活動がある日は特に大変でした。でも、教員になるためにここにいるんだという気持ちを持ち続け、授業を優先しながら部活を調整していました。ただ、2年次からはコロナ禍で練習も大会も中止になってしまい、できるだけ続けたいと思っていたのに残念でした。コロナの影響で、思い描いていた大学生活とは変わってしまって。でも、その中でもできることは楽しもうと意識して過ごし、教員を目指して努力し続けたことも含めて、いい大学生活にできたと思っています。

とにかく覚えるまで繰り返し。

学科の必要単位も、教職課程の単位も、1年次から計画的に修得していきました。教員採用試験に向けた準備は、3年次5月頃から本格的にスタート。過去に出題された問題を分析して、教養検査の中の教職教養の知識が自分には足りないと分かったので、そこから手を付けました。今の自分の力がどれぐらいなのか、一度過去問を解いてみるといいと思います。私もそうでしたが、その段階では全然できなくても構わない(笑)。全然できなかったことで、すぐに勉強を始めないと採用試験に間に合わないと思えましたし、4年次に行われる一次試験に合格するよう準備すればいいわけですから、早めに自分のレベルを知っておくことは大事だと思います。
勉強を進めるにあたって重視したのは、試験に出る範囲の分からない箇所をなくすこと。質より量だと考えて、とにかく覚えるまで必要最低限の同じ参考書、問題集をひたすら解きました。繰り返すことで分からない箇所をなくしていったことが、合格への一番のポイントになったと思います。教養検査の中の一般教養については、大学入試センター試験(現:大学入学共通テスト)の経験から基礎は身についていたので、過去問のレベルを見て解けるだろうと判断し、自分にとって課題の教職教養の勉強に重点を置きました。思えばこれまでやってきたことはすべて、教員になるための糧になったなと感じます。
大学の教職指導室の先生たちのサポートも大きく、特に二次試験の面接にあたっては何度も練習をしていただきました。外部講師による面接練習の機会もあり、学内の先生とは違った観点からのアドバイスが役立ちました。練習を重ねる中で、質問に対して自分が感じたこと、考えたことをしっかり言葉にして表現する力を磨けたと思っています。粘り強く練習を続けた結果、二次試験前には、これぐらい受け答えができるなら大丈夫と先生たちに言っていただき、自信を持って挑むことができました。

目標は信頼される教員。

出身高校での教育実習では、自分が将来、教員になった時に役立てられることをできるだけ吸収しようという気持ちで頑張りました。教壇に立ってみると、自分たちが授業を受けていた頃とは教育のやり方が変わり、アクティブラーニングなどが増えてきているので、試行錯誤しながら取り組みました。学習用端末を使う機会も増えていましたが、これには、生命工学科で学んだ情報分野の知識やスキルを生かしていけるはず。端末を使用して学ぶ際の改善点もいろいろと考えられたので、教員になってから情報に関することももっと勉強して、対応していければと思っています。
目標は、信頼される教員です。信頼されるということは、授業をはじめ生徒、保護者、同僚の先生などとの関係がきちんとできるという評価だと思うので、そこを目指していきたいです。そのために、理科の探究を続け、人間的にも成長していかなければならないと思っています。
大学で仲間と話していて気づいたのですが、もし高校の授業で選択しなければ、生物、化学、物理、地学などに触れるのは中学校が最後になる場合もある。それなら、中学校の教員になって理科が楽しかったという印象で終われるようにしたいと考えました。そうすれば、その先も理科は面白いとか楽しいと思って生きていってくれるんじゃないかと思うんです。それが、「理科離れ」をどうにかしたいという自分なりの今の考えです。実験をたくさん取り入れて、理科の楽しさを伝えられる授業にしていきたいです。

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